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「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「太字の強調プラグインを多用している文章の修正」「うろ覚えでで記述したような情報の確定」「総評文の見直し」です。 ウルトラマン倶楽部3 またまた出撃!!ウルトラ兄弟 【うるとらまんくらぶすりーまたまたしゅつげきうるとらきょうだい】 ジャンル RPG 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 バンダイユタカ 開発元 インターリンク 発売日 1991年12月29日 定価 7,800円 判定 クソゲー ポイント 微妙な戦闘システム・ストーリー・キャラチョイス脳筋な各種ボス戦のギミック敵も味方も「ひらりとかわし」すぎ心折設計なラストダンジョンなのにラスボスは史上最弱ウルトラの母は強しウルトラマン倶楽部3?ああ、野球ゲーね ウルトラマンゲーム・リンク 概要 ストーリー システム 問題点 評価点 総評 余談 参考動画 概要 SDキャラクター全盛期のSDウルトラマン『ウルトラマン倶楽部』の第3作目。 前作『ウルトラマン倶楽部2』が良作と謳われる出来だったため、それなりに期待は大きかったと思われる。 しかしそんな期待とは裏腹に、プレイヤーはこのゲームを遊ぶことによって、多大な絶望と精神的苦痛を味わうことになるのである。 ストーリー 宇宙警備隊員のウルトラマン(通称・マン)は村長の願いを受け、キングマイマイの捜索に向かう。それを発端として明らかとなる敵の侵略計画にウルトラ兄弟は立ち向かっていくことになる。 エリアは主に3つに分かれ、その現場を担当するウルトラ兄弟が、それぞれで発生する事件を解決していく。 システム セーブデータがパスワード形式からバッテリーバックアップに変化。 移動時のスピードがアップ。またフィールドでBボタンを押すことでいつでも飛ぶことができるようになった。 攻撃コマンドが「そっこう」と「たたかう」の2種類に分離。前者は必ず先制できる弱攻撃。後者は外れやすいがダメージの大きい強攻撃となっている。 必殺システムの仕様が変更。ウルトラ兄弟のHPが4分の1以下になると、カラータイマーが青から赤に変わって攻撃力が上がり、同時に必殺技のコマンドが解禁される。また前作ではランダムに表示されたものから選ぶ形式だったが、今回は全ての技リストから任意で選べるようになっている。 カプセル怪獣は全てのウルトラ兄弟で共有して使うようになった。 新しく装備品の概念が登場。戦闘中に装備することで能力が上がる。 全体命令コマンドの追加。パーティ全員に一括で同じ行動を指示できるようになった。 各種ウルトラ兄弟に隠しパラメータとして「特性」が設定されている。これは戦闘時に関係し、相性の良い怪獣と有利に戦うことができる。 たとえばウルトラマンの特性は「ちから」で、同じく「ちから」特性を持っている敵に高いダメージを与えられる。 経験値システムが消失。ウルトラ戦士のステータスは「怪獣を20匹倒すごとに上がる」という仕様に変更された。 ただしこの補正ではステータスはほとんど上がらない。ストーリーのイベントをクリアしていくことでフラグが立ち、そこで初めて「レベルアップ」として基本ステータスが大きく伸びるようになっている。とはいえ、この補正のちょっとの差でボス戦の勝率がそこそこ変わったりするので侮れない。 野球盤のようなミニゲームが登場。うまくヒットが打てればカプセル怪獣を入手できる。 問題点 戦闘部分のバランスや出来が悪い。本作最大最悪の問題点である。 必殺技を使える機会がほとんどない。 『体力が減ってカラータイマーが光らないと必殺技が使えない』仕様になったため、必殺攻撃を使用できる機会が著しく減少。これにより大半の戦闘が「ひたすら通常攻撃を繰り返す」ということになってしまい、地味でグダグダになってしまった。 原作を再現したつもりが、逆にウルトラマンとしての面白みがなくなったという、キャラゲーとして本末転倒な有様になっている。 ボス戦において必殺技とカプセル怪獣が使えなくなった。 前作では使用可能でそれがきちんと面白さにつながっていたのに、なぜわざわざ制限をかけてしまったのか謎である。本来、手ごわいボスキャラこそ必殺技やカプセル怪獣を使用してピンチからの逆転を望むものではないだろうか。遊んだ誰しもが「必殺使わせろ!」と思う瞬間である。 それなら必殺技はボス戦で禁止になるほど強力なのかというとそうでもなく、全然あてにならない。 理由は命中率の低さにある。攻撃力は恐ろしい程に高いがとにかく光線技が当たりにくく、「全体攻撃を放ったのに雑魚全部に対して外した」ということも結構ある。 また先述の通り、タイマーが変化するような場面≒HPの危機であり、数発攻撃されれば死亡する状況である。大抵は玉砕覚悟で必殺を撃つことなどなく、すぐに回復カプセルを使うことになりがち。 よって積極的に必殺技を用いる場面があるとすれば、復活がしやすい町付近での戦いに限定される。敵が弱ければタイマーが赤でも長時間居座ることができ、技を外したところで被害はほぼない。また全体攻撃技はなんだかんだで稼ぎに便利。 しかし、これでは本来『ピンチからの逆転技』になるはずの必殺攻撃が、ザコ敵をなぎ払うための弱いものいじめな技と化しているのである。 そもそも必殺技のバリエーションがいろいろとおかしい。 全体に即死技を放つことができるキャラがいる一方、単体攻撃しか持たないキャラクターがいたりとバランスが悪い。またどの技が全体で単体なのかもネーミングや原作イメージからは想像しにくくなっており、使ってみないと分かりにくい。取りとめがなく適当に決めたとしか思えない。 各ウルトラ戦士の必殺の仕様もゲーム的に疑問が湧く。全体攻撃技のスペシウム光線、単体即死技の八つ裂き光輪を持ちながら、全体即死技のスプリング光線も扱えるウルトラマン、八つ裂き光輪、流星キックという、2つの単体即死技を使う新マンなど、ゲーム性を無視したラインナップばかり。 前作のようにランダムでどれか1つを選択するならこれでも良かっただろう。しかし今回は全ての技の中から任意で選べるのである。明らかに調整不足が窺える。 敵も味方も回避率が高すぎる。 なかなか敵に攻撃があたらず無駄に戦闘が長引くことが多い。味方の回避率が高い分には回復の手間が減ることもありありがたい部分もあるのだが。 「逃げる」コマンドは「怖くなった→逃げ出した」という2回の手順を踏む必要があり、無駄に時間がかかる。また「攻撃」コマンドでターゲットを指定したとき、その敵がすでに倒されていると行動を中断してしまう。昔のRPGにはよくあった仕様だが当時を加味してもかなり古臭い。正義のヒーローが戦闘をサボるな! この問題点は全体命令コマンドを使えば解消できる。「全体逃げる」はきちんと1ターンで逃げることができ(*1)、「全体攻撃」は自動で別のターゲットに切り替わってくれる。だったら初めからそうしろと(ry レベルアップの仕様がイマイチ。 どの怪獣を倒すかに関わらず『20匹倒せばステータスが上がる』という仕様のため、強い怪獣と戦う利点がない。よってステータス上げはひたすら序盤のザコ敵を狩り続けるというヒーローにあるまじき作業になる。もちろんすぐに飽きる。 ただしこの補正上げはすればその分楽になるが、ゲーム上で必須の作業というわけではない。イベントで基礎ステータスが伸びていくので、何度か挑戦すれば補正0でもクリアは可能。 ダンジョンの難易度が全体的に理不尽。 どのダンジョンも作りが広大な迷路(比喩ではなく文字通り幅1マスの通路で構成された迷路)になっており、さらには複雑な分かれ道や長く進んだ先にある行き止まりなど、プレイヤーの精神力を削ぎ落とすような作りになっている。このゲームには宝箱のような収集要素もないため、道を間違えるのは本当にただの無駄骨なのである。 またダンジョン内では移動力が半減する(*2)。さらにエンカウント率も高く、強い敵もわんさか出てくる。前述のように戦闘はやれることが非常に少なく終始地味な小競り合いが続く。一言で表すなら、「だるい」。 特にこの傾向が顕著なのがラストダンジョン。 これまでのダンジョンの2倍くらいの広さを持つ迷路が、複雑な階層に合わせて存在し、さらに鬼のエンカウント率で最強のザコ敵が次々に襲い掛かってくる。ザコ敵を倒しまくって強化されているか、カプセル怪獣の数が万全でなければ全滅は免れないだろう。そして長かった道のりの果てに待ち受けるもの、それこそが「エースロボットバグ」なのである…。 最低最悪の鬼畜トラウマ・エースロボットバグ。 ラストダンジョン後半において、今までに倒したボスとの再戦になるボスラッシュ展開が起こる。この時にエースロボットを倒すと、戦闘終了後に画面がバグった謎の空間に飛ばされ、その場から1歩でも動くと、「エリア1」の最序盤のダンジョンである洞窟奥深くの四次元空間にワープしてしまう。しかもこれは回避方法がなく、確実に発生する。 果てしなく長く鬼畜だったダンジョン攻略の基軸が、突然のバグによって全てが水泡に帰してしまうのだ。おそらくここまで頑張ってきたプレイヤーの精神もついに限界を迎えることだろう。実際にネット上ではこのバグによって当時攻略を諦めたという報告がちらほら見られる。 ただし実はこのワープが発生してしまっても詰みではなく、エリア1と最終エリアはマップが繋がっているため、再び同じ場所に戻ってくることはできる。とんでもなく長い道のりになるが……普通ならリセットボタンを押してしまうだろう。 またバグの回避方法はないが、対処法は存在する。画面がバグったら決してその場を動かずにセレクトボタンでステータス画面を呼び出してキャンセルする。これで画面のバグが元に戻り、そのまま続きをプレイできる。 それだけで直るなら知っていれば問題ないと思いがちだが、当時はまだインターネットの普及していない時代である。攻略本『バンダイ完全必勝ブック ウルトラマン倶楽部3』の中でもこのバグについては一切触れられておらず、プレイヤーはこれが確実に発生する「仕様」であることも、またその回避方法も知る術がなかったのだ。 というかラスダンの鬼畜ぷりとこのバグの存在を思うに、開発スタッフは通しでテストプレイをしていないのではないか? たまたまリカバリが効くバグだったから良かったようなものの、下手をすれば途中でバグって絶対にクリア不可能になるゲームとして後年まで語り継がれていた可能性もある。 ちなみにエースロボットと戦う前のセリフに別の場面で使うはずのテキストが混在しており文脈が意味不明なことになっている。 エースロボットバグを乗り越えた先に待つ、最弱のラスボス。 ラストダンジョンの最奥部にいるラスボスは何やら重たげなセリフを吐くが、いざ戦って見ると凄まじく弱い。HPは多いものの攻撃力がかなり低く、ここまでたどり着けるようなウルトラ戦士なら負ける要素がない。プレイヤーの主観ならば道中のザコ敵のほうが遥かに強く、拍子抜けも良いところである。 ただしラスボスの能力は決して低くはない。攻撃力は最大の999であるし、その他のステータスも満遍なく高い。なので、ここに来るまでにウルトラ戦士が強くなりすぎてしまったという認識が正しい。結果的には同じ事だが。 ラストダンジョンの道中があまりに鬼畜なので、ここにたどり着くまでの道のりこそが真のラスボスだという見方もできる。 ちなみに音楽もザコ戦と同じ。前作のラスボスには専用BGMが作られていたのに何故…。 ストーリーが全体的に微妙 序盤はひたすらお使いイベントばかり。前述のような長ったらしい戦闘が延々続くため、やっていて非常にストレスがたまる。お使いする理由やストーリの流れもヘンテコなものがある。 例えば、キングマイマイの病気を治すために「山の頂上にある薬草に綺麗な水をかけてください」と村長からコップ(いや、比喩でもなんでもなく本当にコップなのである)を渡されるイベントがある。早速一旦村はずれの井戸に行って水を汲んで村役場まで戻るのだが、なんとそれを村長にゴクゴクと飲まれてしまう。唖然とする中「底にちょっと溜まってるからこれで何とかなるでしょ」とテキトーなことを言われて山に行かされる。キングマイマイじゃなくてお前が病気になってしまえ。いくら低年齢向けの作品とは言えもう少し何とかならなかったのか。 流れを端的にまとめると、殺されてしまった人気キャラを助けるために、脇勢が力を合わせて頑張るという話である。前作でラストを飾ったウルトラマンとウルトラマンタロウは、物語序盤で敵に殺され早々に退場(*3)。新マンは初代マンを救うべく各地を奔走し、ウルトラの母はタロウの仇をとるために、助っ人のウルトラ戦士もなしに母1人で敵の基地に乗り込んでいく…とどうもヘンテコな描写が続いていく。 そして物語の最終メンバーは「セブン、ゾフィー、エース、新マン」である。今でこそ後発作品でのゲスト出演や公式のフォローもあって人気も確立しているが、当時としては相当地味なメンツといえる。 説明書の人物紹介では、マンが「やっぱり主人公は私です」とわざわざ言っているが?。 キャラクターの厚遇も激しい。新マンはエリア1から3までの全てにおいて仲間に加わり、ウルトラの母はエリア2序盤からエリア3後半までずっと付き従う。一方でウルトラマンレオはエリア2の最序盤でボスを1体倒しただけで離脱。その後はほぼイベントでしか使えない。ウルトラマンエースは敵に捕らえられていたところをラスダンに乗り込む直前のイベントでようやく救出。以降活躍の場は全くない(*4)。 文章表現が全体的に稚拙 子供向けということも見越しても、あまりにテキストがいいかげんすぎる。「エリア1」の頃はテキストの量も充実しており、セリフにもそれなりの愛嬌があって楽しめるが、「エリア2」のゴルゴダ星あたりから急にシュールで狂気的な電波文が多くなり、状況説明も投げやりになってくる。スタッフのやばい深層心理が垣間見えるようだ。 例をあげると、新マン「じゅうじかがあやしいです(一言)」。キング「テレポート(一言)」といった淡々とした様子。他にも「ヤプールプルプルー」「ウルトラのせ・ん・し・たち!」など微妙に言動のセンスがおかしいところがある。長谷川裕一か。 仲間が加わる際などのナレーター表現が「・・・しんマンがなかまにくわわった・・・・・」と中点付きで表示されるのだが、これが三点リーダのように見えてしまい微妙に気味が悪い。 ミニ野球ゲームの文章などよく練りこまれている部分もあり、本当に同じライターが担当しているのか疑いたくなる。期間不足で推敲ができなかったのか、それとも別のチームが担当したのだろうか。 その他の問題点 エリア2中盤において、ウルトラマンレオとウルトラマンキングの2人でボスを倒すイベントがあるが、この場所には回復ポイントが一切ない。ここで回復ができるカプセル怪獣を所有していなかったり、ザコと戦って体力を消耗した状態でセーブをしてしまうと、最悪ボスが倒せなくなって詰む恐れがある。 救済措置のようなものは全くない。キングの必殺技が体力を回復するリライブ光線だったり…ということはもちろんない。 場面が切り替わるにもかかわらず、ウルトラマンレオのHPはパーティから離脱したときのままで全回復していない。これもレオのイベント戦をより難しくしている要因になっている。 装備品はいちいち戦闘ごとにメニューから選んで装備し直さなければならない。 前作に引き続き怪獣や人物の名前の誤植がいくつか見られる。 ウルトラの父が石にされて倒された経緯がゲーム中で全く不明。 エンディングのスタッフロールの演出が説明不足で意味不明(*5)。 殺された石にされたと大業に騒ぎ立てられるが、結局はみんなで祈れば済む話だった。もっとも、原作のウルトラマンの設定も大体そんなものだが。 評価点 普段目立たないキャラクターが大活躍する。 ウルトラの母がガチの戦闘キャラとして使えるゲームはこれくらいだろう。全てのステータスが誰よりも高く本作の最強キャラクターになっている。 クリアはできないが母がソロの場面でラスダンに突入させても十分に戦える強さ。 ウルトラ兄弟の中では影が薄くなりがちなゾフィーや新マンも、このゲームでは第一線で頑張ってくれる。コアなファンなら必見かもしれない。 「エリア1」までのテキストは素晴らしい。 セリフの量も充実しており内容もウルトラシリーズに関するマニアックなネタが多く、ファンをニヤリとさせる部分もある。またイベントが進むごとに住民のセリフが少しずつ変化するなど、かなり細かく作り込まれている、あくまでもここまでは。 エリア1のラストシーンではボスに2回話しかければ戦闘が始まってクリアになるのだが、1回話しかけた状態であえて町に戻ってみると住民との会話が変化しているという小ネタもある。 宿屋ではウルトラ戦士それぞれがそれまでに稼いだ補正(=敵を倒した数)が確認できる。サラリーマンの成績表のような見た目で視覚的にもわかりやすく、やりごたえを感じられる。 この「成績表」には、現在加入しているかに拘らず全てのパーティーキャラが表示される。序盤では今後誰が仲間になるのか丸分かりになるため、ある意味ネタバレ要素となる。 怪獣やウルトラマンのドット絵はコミカルでかわいらしく良くできている。攻撃したり、ダメージを受けたりするアニメーションは結構頑張っている。 有名な怪獣が一通り登場する。もっともこれは前作でもできていたことなので、評価点としては微妙かもしれないが。 戦闘は演出部分では今一つなものの、インターフェイスの出来は悪くない。アイコンはシンプルでわかりやすく、操作性も良くてコマンド入力が楽。 「たたかう」と「そっこう」の使い分けが面白い。 「そっこう」は攻撃力は低いものの、敵に先手を取られてしまって命中率も低い「たたかう」とは違って、必ず先制かつほぼ必中攻撃なので、弱った怪獣のとどめを刺すのに大いに役立つ。 全てのウルトラ戦士が「そっこう」コマンドを使うことで先手を取って攻撃ができる。他のRPGでもたまに先制技を持つキャラがいたりするが、パーティ全員が先制攻撃を使える作品は珍しい。 隠しステータスの「特性」、全体コマンド「バランス」はなかなかゲーム性がある。 戦っているうちに怪獣ごとの相性を覚え、効率よく戦闘を進めていこうと考えていく様は面白みがある。 「バランス」はウルトラ兄弟同士で残りHPを割り振って、全員を同じHP値にするという珍しいシステム。体力回復に使えたり、必殺技を使うための調整に使えたりと便利。 また「バランス」はボス戦で使える唯一の回復手段であるため、この点でも貴重である。 ボス戦を含めて全ての敵からは逃走が可能。 ボス戦の途中で勝てないと判断したら一旦逃げて回復するなり戻って強化するなりして仕切り直すことができる。ボス戦が逃げられないRPGが多いので、気が付きにくいのが難点か。 BGMはまぁまぁ良い。お約束とか言わない。 各曲はウルトラマンのテーマや科学特捜隊のテーマのアレンジになっている。 ただしダンジョンの曲はかなり怖い。恐怖感を煽るというより、不安をかきたてられるような調子になっていて、これもトラウマ作りに加担している。ラストダンジョンは普通のBGMなので安心。 しかし戦闘曲などは単調で、あまり盛り上がるとは言えない。 野球のミニゲームはそれなりに良くできている。 肝心のメインストーリーやゲーム部分がひどいので、ひたすらこの野球ゲームをやっているほうがよほど面白い。『ウルトラマン倶楽部3』が野球ゲーと呼ばれる所以である。 ちなみにこのミニゲームには実況アナウンサーがいるのだが、それを担当しているのがなんとウルトラの父。まさか石化しながら実況している……のではなく、恐らくは収録された音声をゲーム筐体が再生しているだけなのだろうが、それはそれで宇宙警備隊の大隊長が声優としてビデオゲームに出演しているという謎の副業をしていることになる。それでいいのか宇宙警備隊。 総評 前作から劣化したシステムや微妙な要素がそこかしこに見られ、全体的にプレイヤーの精神をじわじわと蝕んでいくような作りになっている。エースロボットバグに関しては擁護不能であり、商品失格レベル寸前といえる有様。一方、それ以外ではクソゲーにありがちな突出した個性や笑えるネタ要素がなく、あまり話題にもならない本作だが、総合的な「つまらないゲーム」としての完成度はなかなかのものがある。特に苦痛度では歴代のウルトラマンの家庭用ゲームの中でも1、2を争う。 とはいえ、戦闘バランスはクソなりに安定しており、根気と忍耐さえあればいつか必ずクリアできる内容には収まっている。そう、これはあくまでゲームとプレイヤーの精神力の戦いなのだ。単純に苦痛ばかりで面白くないゲームだが一応頑張ればクリア自体は可能という、いわゆるストロングスタイルのクソゲーと言えるだろう。 今から遊ぶ価値はよほどのマゾゲー好きでもない限りはないだろうが、過去に理不尽なダンジョンやエースロボットバグで挫折した経緯のある当時のプレイヤーは、この記事をきっかけにリベンジを果たしてみてはいかがだろうか。ストーリーはともかくとして、数年越しのエンディング画面にはいろいろとこみ上げてくるものがあるはずである。 余談 本作のラスボスは「RPG史上最も弱いラスボス」としてときどき名前が挙がることがある。 参考動画 + エースロボットバグ~ラスボス戦の動画(ラスボスのネタバレ注意) http //www.nicovideo.jp/watch/sm1295225
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はっちゃけあやよさん 【はっちゃけあやよさん】 ジャンル アドベンチャー(公式ジャンル 大人の電脳紙芝居) 対応機種 PC-8801PC-9801MSXX68000 発売・開発元 HARD 発売日 【PC88】1989年2月28日【PC98】1989年3月16日【MSX】1989年4月11日【X68】1990年4月26日 定価 3,800円 レーティング アダルトゲーム 判定 クソゲー バカゲー ポイント 10分で終わる極薄ボリュームドット絵やキャラは好評で伝説化 概要 特徴 ストーリー 問題点 評価点 バカゲーポイント 総評 続編 移植 余談 概要 HARD社のアダルトゲーム。ロープライスの3,800円で発売された。 特徴 2択の選択肢一ヶ所のみのノベルゲーム。立ち絵はなく一枚絵のみ。 BGMは通常時とエロシーンの2曲。 X68000版は色数が16色/65536色表示に変更されており、ボイスも追加されている。とはいえ、当時の技術なので、エロシーンのみで喘ぎ声のようなものが流れるといったレベルだが。 ストーリー 女子校に通う少女「沢島綾代」は学校が終わるとおもちゃ屋でアルバイトをしている。 おもちゃ屋の前の掃除をしていると、小学生の子供にいたずらでスカートをめくられる。 そして閉店間際に謎の男が現れる。男の要求したものは…… + 水鉄砲編 水鉄砲を受け取った男はあやよさんに水を発射。あやよさんが目をつぶった瞬間に男はあやよさんに襲い掛かるが、店長が戻ってきてあやよさんを救出。しかしあやよさんは店長に襲われるのでした。 + 手錠編 手錠が壊れていないのを証明するためにあやよさんは自分の右手に手錠をかける。男はあやよさんの左手にも手錠をかけて襲いかかるが、店長が戻ってきてあやよさんを救出。しかしあやよさんは店長に襲われるのでした。 問題点 あまりにも薄いボリューム 10分で全てのCGとテキストを閲覧できてしまうレベルでテキストが少ない。 上述した隠すほどでもないストーリーがこの作品の全てである。 エロシーンもテキストが少なくあっという間に終わってしまう。 念のため補足するが、読み飛ばしやスキップではなく、じっくり読んでもこの程度のボリュームである。 分岐も劇的な変化はないため、選択肢による展開の違いを楽しむのも難しい。 参考までに2分もかからない公式プレイ動画がアップロードされているが、ほぼ選択肢までのテキスト量である。 + 公式プレイ動画 3,800円という安価や時代を考慮してもさすがに薄すぎる。本作で真っ先に挙げられる問題点である。 しかし当時はアダルトゲームがまだ多くは発売されていない時代で、『美しき獲物たち』シリーズ(1988年、グレイト)のように数枚のCGが観賞できる程度の、所謂紙芝居的なソフトは他にもあった。 評価点 ドット絵は高く評価されている。 あやよさんは十分魅力的に描かれており、手や足がそれなりに自然にアニメーションする。口パクも搭載している。 背景のテレビで謎の緑の生物が動いていたり、スタッフロールでは手を振るアニメーションといった遊び心もある。 選択肢一ヶ所を好意的に見れば、さっくりCGを楽しめるとも言える。 当時存在した、高難易度を乗り越えた報酬としてCGを閲覧できたADVやRPGとは対極に位置すると言える。 バカゲーポイント 一応凌辱展開だが、エロシーンで時給交渉に挑むあやよさんのたくましさや、ピロピロ鳴るBGMはちっとも悲愴感を感じさせない。 エロシーンの男の手はループアニメであり、あやよさんの後ろから生えては消えるような動きを見せる。 珍妙なタイトルや流れるようなエロシーン等から、馬鹿馬鹿しさを感じやすい。 総評 10分で終わるボリュームは当時としてもさすがに薄すぎた。 とはいえ、批判点はボリュームに集中しており、面白いタイトルや馬鹿馬鹿しいシーンからカルト的人気を得ている。あやよさんのはっちゃけたキャラやストーリーを根強く愛するファンも生んだ一作である。 続編 1994年の『はっちゃけあやよさん5 ピカピカの小惑星』まで、5つのナンバリングタイトルが発売された。 『3』はシリーズ最高峰の3万本を売り上げている。(参考リンク) 移植 はっちゃけあやよさん1-2-3 For Windows 1999年に発売。タイトル通り『1』~『3』のWindows移植版。 はっちゃけあやよさん1-5 Renovation 2018年に秋葉原BEEPから「はっちゃけ”HARDな”あやよさん本」の通常版が発売され、おまけに『1』~『5』収録のCD-ROMが収録された。価格は4,800円。 500本以上売れないと赤字だが、「あやよさんがそんなに売れるはずがない」と確信して企画したとの事。(参考リンク) 復刻の報酬はチーかまひと箱だったそうな。(参考リンク) 一時期は中古相場が高騰していたため、下記のダウンロード版が販売されることとなった。参考リンク ダウンロード版 2020年にDLsite、FANZAの同人売り場で100円で販売された。 PC98・X68・MSXの3機種分とおまけ要素がある。現在では最も入手しやすい。 なお、こちらの開発費は0円である。 余談 発売当時1万本を売り上げた。(DL版配信サイトより) 1990年に大陸書房より刊行された『美少女ソフト大研究』で『はっちゃけあやよさん3』が紹介された際は「人気の高い電脳芝居"あやよさん"の3作目」と記載されており、実際にそのゲーム性込みで一定の人気を得ていたことが窺える。 1999年10月29日の『はっちゃけあやよさん1-2-3 For Windows』を最後にHARDの作品は途絶えていたが、2017年に突如復活して公式サイトとTwitterが設立された。 その後上記のように復刻版が発売された。 80年代から活動していたアダルトゲームブランドで現存している貴重な存在となっている。 アリスソフトの『Rance III -リーザス陥落-』では『あやよさん3』の話題が出てくる。 なお、HARD社も2017年に復活した際公式サイトでリメイク版『ランス03』を宣伝していた。 DL版移植の裏話を掲載した『復刻版はっちゃけあやよさんの作り方~8ビット編VOL.1』(ProjectRepadars)が同人誌として販売されている。
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アストニシア ストーリー 【あすとにしあ すとーりー】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 コンパイルハート 開発元 Sonnori 発売日 2006年9月28日 定価 5,040円 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 緻密に書き込まれたドットグラフィックゲームとしては陳腐 概要 ストーリー概要 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 概要 韓国で1994年に発売され2006年にPSP向けにリメイクした作品を、日本語版としてローカライズしたコンパイルハートのゲームシリーズ第一作目。 純然たるハイファンタジー作品で、少々人を選ぶRPG。 しかしシステムはシンプルで、戦闘は『アークザラッド』系のSLGライクなものになっている。 ストーリー概要 新米騎士として国の宝である「カイナンの杖」を運搬護衛する任務にあたる主人公ロイドだが、その護衛任務中に敵襲に合い、護衛部隊が全滅する。 犯人たるエルフ族の敵を見つけ出し、杖を奪還するまでのストーリー。 その傍らに騎士だからという理由でいろいろ手助けして寄り道をする。ほんとに敵討ちとはなんら関係ない寄り道のほうが多いのでは…。 評価点 ドットアートの美麗さ とにかく緻密に作りこまれたドット絵は、この手の表現が好きな人にはたまらない。 PC-98時代のゲームを高画質にしたような感じで、新しさは感じないが…。 わかりやすいシステム 取説なしでも問題なくすすめるくらいにシンプルでわかりやすく、サクサク進めることが可能。 親切な経験値分配システム 人数が増えても、一体倒す毎の一人頭の経験値は減らない。つまり大本の経験値が人数分増量している。 しかし経験値は戦闘終了時点の生存者で頭割り。例えば4人で戦闘に挑み、1人生き残った場合、その生き残りに4人分の経験値が集中するため一気に育つ。 PSP版のみのオープニングアニメ PSP版では主題歌やアニメーションでオープニングムービーが流れる。 コンパイルハートではこれが初となるが、以降のゲーム作品からアニメーションではなくなっている。 どこでもセーブ フィールド、ダンジョン、街の中でもデータのセーブができるし、ボス戦前でも可能。 ただし、キャラクターをきちんと育てたり、回復アイテムを補充しておかないと詰みやすい。 賛否両論点 これといったやりこみ要素も無く、普通に進めていれば10時間程度で手軽にクリア可能。逆に言えばやることがクリアするだけ。 申し訳程度の、よく言えば物語に味を出す程度のキャラ達の掛け合い。 女性キャラ3人のうち2人はテンプレのツンデレ傾向。もともとストーリーがあって無いようなものだからか、取ってつけたような四角関係描写も…。 問題点 展開が陳腐。 大本が94年のゲームなので無理もないが、「他種族を見下すドワーフ」「一対一での戦いを求めて離反する武術家」など、とにかくどこかで見たような部分が多い。 ストーリーにしても、途中で「やっぱり予想通りだ」となることがある。 語られるストーリーがあまりにも少なすぎる。大きく分けて「世界観」と「仇敵のエルフはどこにいる」以外にあまり会話の中身はない。 ヒントがなさすぎる もともとろくな謎解きもないようなゲームなのだが、「次の行き先がどこにある」がないのでマップをさまよう羽目になる。 行き先が見当たらずマップのあちこちを探し回ってみたら、「村長の家のそれとはわからない出口から地下道を通ってマップに出る」が答えだったりする。教えてよ。 オブジェの当たり判定がシビア。 自然の多い世界設定で、同時に動物や人も多いのだが、やや判定が大きいきらいがある。 強引に押しのけてすり抜けられないので、ちょこまかと動く動物に足止めされたり、通れるように見えて通れないマスなどに引っかかりを覚える。 エンカウント フィールドの敵シンボルは早く動き避けにくい。軽く追跡してくるので狭い道で避けにくい。 見た目が一種類だけなので敵の数も種類もまったくわからない。 一応色違いもいるのだが、中身がどう違うかは不明。 翻ってダンジョンは頻度低めのランダムエンカウント。どちらかでよかったのでは。 戦闘 SLG方式だが、基本的に敵の数が多く、強い割に割に合わない。 最序盤で一人になる期間があるが、敵が平気で6~7匹構成だったりする。SLGは味方数より敵が多いのが基本とはいえ、こちらが1ターンに1匹に対し1回しかダメージを与えられないのに、敵は囲い込み+遠距離攻撃で多勢に無勢。 敵味方双方、キャラクターを飛び越えて移動できない。うっかり味方キャラで先を塞いでしまうと、大回りして動かす必要が出てくる。おかげで崖下の階段など狭い道で渋滞しがち。 敵の遠距離攻撃が強い。 キャラを飛び越えられない都合で遠距離武器の優位性が勝る。特に序盤、人数が少ない時期に出てくる敵弓兵は脅威。4匹で襲われ魔法使いが1ターンで落とされることも珍しくはない。 ボイスについて 戦闘時にはスキル使用や戦闘不能時にボイスが出るが掛け声程度。シナリオ上の台詞にはボイスがつかない。 よくわからないアイテムシリーズ「ヘルゲート」 剣、斧、弓の武器三種、鎧、縦、マントの防具三種の合計六種存在するが、いずれもが性能が低く、特殊効果が不明で存在価値がない。 総評 クソ要素だと叩くほどの汚点はないものの、一方で大きく評価する部分も見当たらない、典型的な凡ゲー。 ドットグラフィックが好きな方やレトロRPGフリークならば楽しんでプレイできるだろうが、そうでない場合は「古臭くて平凡なRPG」でしかない。 その辺を考慮したうえで、購入するか否か考えてほしい。 その後の展開 本作発売から2か月後の16日にPSP専用ゲームソフト『ヴルカヌス』が発売される。 こちらも韓国で発売されたものを日本語にローカライズされたゲームだが、ジャンルは3Dロボットアクションゲームである。 さらに2007年4月26日にPS2専用ゲームソフト『ローグ ハーツ ダンジョン』が発売されたが、このゲームからコンパイルハート初の日本製品として発売される事になり、PS3専用ゲームソフト『メガゾーン23 青いガーランド』『クロスエッジ』やニンテンドーDS専用ゲームソフト『BLACK CAT 黒猫の協奏曲』などといった微妙な作品、時には 『ONI零 ~戦国乱世百花繚乱~』と言ったクソゲーを発売していったが、『アガレスト戦記シリーズ』『ネプテューヌシリーズ』『ムゲンソウルズシリーズ』『フェアリーフェンサーエフ』『オメガクインテット』などを発売していくうちにコンパイルハートの知名度が上がっていくことになる。 日本ではナンバリングがないが、韓国では続編扱いとして『ガーネットクロニクル ~紅輝の魔石~』が『2』扱いとして発売されている。
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エナジー 【えなじー】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 PCエンジン 対応機種 Huカード 発売元 メサイヤ 発売日 1989年4月19日 定価 5,200円 プレイ人数 1人 配信 プロジェクトEGG 2015年12月15日 判定 クソゲー ポイント 粗悪な操作性粗悪な謎解き要素 キケンがいっぱい! の看板に偽りなし 記事作成者は、オリジナル作である『アッシュ』(PC-8801)は未プレイです。あくまでPCエンジン版『エナジー』についての評価となります。 概要 ゲーム内容 問題点 評価点 総評 概要 1988年にPC-8801用に発売された、クエイザーソフト製作『アッシュ』の移植作。 超能力を使える主人公が、大地震により壊滅した近未来の東京を舞台に、怪物たちと戦うアクションアドベンチャー。 ゲーム内容 大地震により壊滅状態となった東京。その地下から突如現れた謎の怪物に対し、超能力を操る集団・討魔隊の主人公が、先に向かった最強メンバーの「こういち」「メガネ」「モモコ」の3人の行方を追いながら、戦いを繰り広げる。 1画面固定タイプのサイドビュー型アクションゲーム。フィールドはいくつかのエリアに分かれており、エリア内は上下左右の通路を通ることで画面がスクロールし、先へ進めるようになっている。 フィールドには様々な障害やギミックが用意されており、入手したアイテムの使用や中ボスの撃破などにより、先のエリアへと進むことができる。 主人公は超能力によるショットで敵を攻撃する。途中の宝箱や仲間などから入手できるパワーアップアイテムにより、威力や連射速度を高めたり、弾道の向きを変えたりすることができる。 主人公には体力ゲージとESPゲージがあり、体力ゲージが尽きるとゲームオーバーに、ESPゲージが尽きると、しばらくの間攻撃ができなくなる。 各ゲージは途中で手に入る薬やイベントによって回復が可能である。またESPゲージは主人公が動かずにその場で待機することで徐々に自然回復する。 よってESPの回復薬はほぼほぼ不要であるが、薬の出現場所は一定のポイントで固定されており、体力・ESPどちらの薬が出てくるかは運次第のため、なかなか体力回復ができないまま力尽きることもある。 途中で入手するイベントアイテムやパワーアップアイテムは、メニュー画面で選択することにより使用することができる。 ゲームオーバーによるコンティニューやパスワードといった復帰要素はなく、即タイトル画面へと戻され、一からやり直しとなる。 問題点 問題だらけの操作性 オープニングデモ後に主人公のネームエントリーができるのだが、まずここのキーレスポンスや操作性が非常に悪く、思うように文字を打つことができない。ゲーム開始前からいきなり躓くという、先行き不安なスタートである(名前を付けることによるゲーム内容の変化はない)。 ジャンプ時には空中で十字キーの操作が出来るのだが、ここでのキーレスポンスも非常に悪く、独特の慣性が働くために、思うように主人公を操ることができない。先述のネームエントリーと併せて、コントローラーが故障したのかと不安になるほどの粗悪さである。 ショットは射程はそれなりにあるのだが、敵キャラへの命中判定が一切表示されないほか、ショットを連射していると、たまに弾道が敵キャラを通過することがあるため、ショットがちゃんと命中しているのかが分かりにくく、ストレスの要因になる。 敵キャラや攻撃に接触すると、一定のダメージを受け一時的に硬直状態となる。硬直状態の間は無敵なのだが、敵キャラに囲まれてしまった状態だと、硬直明けにさらに攻撃を受けることになってしまうのも難点。 ゲーム序盤から蔦や柱を渡る操作が要求されるが、画面表示と蔦や柱の座標が微妙に狂っており、ジャンプの操作性の悪さと併せて、慣れるまではかなり苦労させられる。 メニュー画面でのアイテム選択も、キーレスポンスが非常に悪いため、不快感をさらに増すことになる始末である。 粗雑なグラフィック 崩壊した都市や洞窟などの描写が、PCエンジンとは思えないほど雑である。 キャラのグラフィックも難ありで、主人公をはじめ人物の見た目はおよそプロの作ったものとは思えないほど下手。同時期に『シュビビンマン』を発売していたメサイヤ製とは考え難い出来栄えである。 敵のデザインもイマイチなだけでなく、片手で数えるほどのパターンしかないのも厳しい。 ストレスの溜まるシステム エリア内の移動は、1画面ごとにスクロールするのだが、このスクロール速度が非常にゆっくりで、ゲームのテンポを阻害している。ゲームの構成上同じルートを何度か往復する事があるため、尚更ストレスを溜める仕様となっている。 画面内の敵をすべて倒さなければ先に進めない場所が多いが、敵を全滅させても数秒間は先に進む通路の障害物が消えないため、さらにゲームのテンポを悪くしている。 前述の通り、ゲームの構成上同じ場所を何度か往復する中で、同じ特殊イベントが繰り返されてしまう。その都度、初対面かのように同じセリフを何度も聞かされるため、ゲームを進めていく上で邪魔なことこの上ない。 前述した蔦や柱などの座標が曖昧な点や、ダメージを受ける箇所が分かりづらい地底湖や溶岩地帯、途中で出現する謎のジャンプ台(?)やワープゾーンが判別し辛い上にほぼノーヒントであるなど、ギミック面においても難点が多く、問題だらけの操作性と相まって、アクションゲームとして破綻に近い状態といえる。 コンティニューやパスワードといった復帰要素はなく、ゲームオーバーになったら強制的にタイトル画面へ戻り、一からやり直しになるのもキツい。また、オープニングデモは飛ばす事はできるが、中途半端な場面までしかショートカットできないという始末の悪さで、難儀なネームエントリーからやり直さなくてはならないなど、再プレイする意欲が削がれる要因となってしまっている。 とはいえスムーズに行けば1時間ほどでクリアー出来てしまうほど、ゲームのボリュームとしては少ない。 不条理な謎解き・演出 アドベンチャー要素として登場するいくつかの謎解き要素が、どれも中途半端なほか、演出面にも難があるため、ゲームのつまらなさをさらに増幅させている。 + 以下、ネタバレ•長文注意 ゲーム前半に登場する地底湖のような場所は、飛び込んだだけで即ゲームオーバーとなるのだが、ノーヒントのため罠に陥りやすい。 ひとまず別ルートを通ると、善良なモンスターからアイテムを貰い、地底湖まで戻って使用する事でモンスターの母親が現れて、向こう岸へ運んでくれるのだが…。 攻略上、このルートは最低でも2回、多くて3回は通る必要があるのだが、同じセリフを繰り返し聞いた上に、遅いスクロールの画面を数回移動しなくてはならないため、ゲームのテンポが尋常ではなく削がれてしまう。 そもそも善良なモンスターがいるという設定自体が、やや強引といえるようにも思うが…。 地底湖を渡りきると、モンスターの母親から別れ際に「この下にあなたの仲間がいる」と言われる。この先のエリアを下った場所にいるのかと思いきや、本来飛び込むと即死するはずの地底湖が、なぜか左端の箇所だけは飛び込むことができ、文字通りすぐ下に、仲間の一人である「こういち」がいる。 よく見ると、地底湖の左端に渦を巻いているグラフィックがあるのだが、これを「飛び込んでも大丈夫」とするサインにしては少々強引であり、さらにモンスターの母親のヒントがやや微妙なため、見落としてしまいがちである。 さらに先へ進むと、3体の謎の物体が上下動するエリアがある。何をすればいいのか分からず、とりあえず辺りをウロウロしていると、突然主人公がとんでもない跳躍を見せ、上空へと上昇していく。 どうやら謎の物体に向かってタイミングよくジャンプする事で、上空へと上昇するギミックのようだが、ほぼノーヒントかつ上記のシステム面の問題から発動条件が分かりにくく、さらに上昇中に障害物にぶつかると降下を余儀なくされるなど、ここでも操作性やシステムの問題に直面する。 障害物をかわして頂上までたどり着き、その場にいる人たちに繰り返し話しかけると、なぜかその辺で拾った「アンモニア水」を渡される。アイテムを頂上への画面の途中にいる見張りらしきモンスターの前で使うと、先に進めるようになる。当然、これらもノーヒントである。 また、同じく頂上へ向かう途中には「オギノメユキコ」なるアイドル歌手がおり、話しかけるとその場で歌と踊りを披露され、BGMの変化と同時に体力が全回復するという超展開が発生する。この時点での体力回復はありがたいが、回復の際はゲージが一旦ゼロに戻り、徐々に回復していくという謎のシステムで、ここでもテンポの悪さを露呈してしまっている。 一旦BGMが変わると、そのエリアにいる間は全く緊張感のないファニーなBGMがそのまま続くという、何なんともシュールな状況が発生する。 そもそも、いち人気アイドルのパフォーマンスで体力が全回復するという設定がぶっ飛んでいる。超能力者なのだろうか? さらに先へ進むと、仙人と名乗る老人から「モモコにメガネを貸した」「この先の敵がなんとかのもとというアイテムを持っている」というヒントを得られるが、この先の溶岩地帯の最深部まで行っても、ここまでノーヒントの「あくのペンダント」を入手するだけである。 ちなみに溶岩地帯は時間経過で体力値を消耗するため、突入してすぐに手に入る「エジソンバンド」を装着しないと、あっという間にゲームオーバーになる。 さらに仙人のいる画面の手前では、原因不明のダメージを受けてしまう箇所が存在する。持っているアイテムも役に立たず、大概はこの辺りで行き詰まってゲームオーバーになってしまうのだが…。 実はここから一旦スタート地点まで戻り、そこからさらに逆方向へと画面を進めることで、先に進めるようになっている。当然ノーヒントなのでなかなか気づきにくいのだが、そもそもスタート時の主人公の向きが右方向というだけで、逆方向へ進めないとは言及されていない。だが、仙人のヒントを聞く限りでは、仙人のいる先のエリアにモモコがいて、謎解きのアイテムを貰えるものだとミスリードしがちであり、ここで行き詰まるプレイヤーが多発するのも致し方ないと思われる。また、これまで通ってきたルートを戻るというのもかったるく、遅いスクロールやなかなか消えない障害物にうんざりしつつ、あまりに意表を突いた謎解き要素のため、先に進めた時のモヤモヤ感も拭えない。 スタート地点へ戻り逆方向に進むと、先ほどのジャンプ台のような得体の知れない物体がある。これに触れると、なぜか異世界へと飛ばされる超展開が発生する。その先の中ボスを倒すと、モモコが現れ仙人のメガネを渡される。 ここからまた仙人のいる手前の地点まで移動しなくてはならない。これまで通ってきたルートを(略)さらにはモンスターの母親による初対面のような変わらないセリフが、プレイヤーのやる気をどんどん削いでいく。 ようやく仙人のいる場所まで戻り、先ほど原因不明のダメージを受けていた場所でメガネを使用すると、それまで見えなかった敵が出現。倒すと先へ進むことができ、またも謎の物体により異世界へ飛ばされ、中ボスを倒す。 ここから更にスタート地点の逆方向へと戻り(!)、先へと進むとようやくラスボスとの対決となる。 ここでようやくオープニングで手渡された秘密兵器が役に立ち、仲間の力も借りてラスボスを撃破するのだが…。 エンディングは主人公、こういち、モモコの一枚絵が現れるのみで、スタッフロールも出ないまま、呆気なく終わる。 ここまでのゲーム内容から薄々察しはついていたが、あまりの演出のショボさに、これまでの苦痛やモヤモヤは解消される事なく、ただ徒労感と時間の無駄だけが残される結果となる。 なお、ここまでに数体の中ボスとの戦闘や、ラスボスとの戦闘が起きるのだが、大抵は安全地帯からESPを切らさないようにショットを連打するだけで、いとも容易く倒すことが可能であるため、エンディングの達成感はさらに削がれる結果となる。 評価点 これだけ酷い出来の作品だけに、なかなか見出すのは難しいが、強いて言うならパッケージデザインが割とよく仕上がっている点。 揃いの戦闘服を身につけて、男女4人組が今まさに冒険に出ようとする気概に満ちたグラフィックだが、ゲーム内容との落差が非常に激しいため、いわゆる「ジャケ買い」により地獄を見る羽目になってしまいかねない。 ジャケットに記載された「キケンがいっぱい! ESPアドベンチャーゲーム」のコピーは、ある意味でこのゲームそのものが危険な存在である事を暗喩しているのかもしれない。です 総評 劣悪な操作性と、いまいちスッキリしない謎解き要素、そこにグラフィックやシステム面、さらには演出面の粗悪さが混ぜ合わさり、およそゲームと呼ぶには難のある、まさにクソゲーと呼ぶにふさわしいソフトである。 そもそも正義の味方の最強メンバーが「こういち」「メガネ」「モモコ」というのもやや幼稚であり、途中に登場するモンスターも自ら「かいじゅうくん」と名乗ったり、全体的なセリフの言い回しなども含めて小学生を対象にした構成のように見受けられる。 それにしては、劣悪な操作性と、ノーヒントかつ解いてもモヤモヤ感の残る謎解きなど、小学生に解かせるにはハードルが高すぎるのではないだろうか。 もし今後見かける事があっても、ジャケットに釣られてプレイする事のないように警告しておく。時間を無駄に過ごしたいという、奇特な悪食ゲーマーのみプレイすることをお勧めする。
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1987年10月放送開始。 https //www.nippon-animation.co.jp/work/1528/ 原作 グリム兄弟 キャラクターデザイン 関修一、高野登、森やすじ、白梅進、石之博和、石井秀一、竹松一生、石川哲也 美術 阿部泰三郎、千葉みどり、佐藤信、明石貞一、松宮正純、勝井和子 美術助手 太田里絵 撮影監督 森田俊昭 編集 笠原義宏、名取信一、中村誠人、上遠野英俊 録音監督 藤野貞義 整音 依田章良 効果 依田安文 音楽 島津秀雄 アニメーション制作 日本アニメーション シナリオ 藤一二三 山本優 藤本信行 絵コンテ 小金井良一 鈴木孝義 斎藤次郎 大町繁 横田和善 演出 斎藤博 鈴木孝義 斎藤次郎 大町繁 横田和善 作画監督 石井秀一 加藤興治 石川哲也 武内啓 石之博和 大城勝 ■関連タイトル グリム名作劇場 シンデレラ ほか DVD10枚組 読みきかせグリム名作劇場・20話 世界名作劇場35周年記念 世界名作劇場 オープニング エンディング集 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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インフィニタ・ストラーダ 【いんふぃにた すとらーだ】 ジャンル SFファンタジーカードバトル(デッキ構築型カードゲーム) 対応機種 プレイステーション・ヴィータ メディア ダウンロード専売 発売元 おふぃす5656 開発元 AMGエンタテインメント 発売日 2014年4月22日 定価 基本プレイ無料(カードパック課金制) レーティング CERO D(17歳以上対象) 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 2014年クソゲーオブザイヤー携帯機部門大賞 デッキ枚数下限無し、バランス取る気無し「100%先攻1ターンキル」「コイントスの方がマシ」 クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 システム・ルール カードの設定 バトルの進め方 ゲームの進め方 問題点 デッキ枚数について カードパワーについて バトルについて オンライン対人戦について~「100%先攻1ターンキル」の存在 有料カードパックについて その他の問題点 評価点? 総評 備考 バージョンアップ版、移植版 概要 2014年当時、家庭用ゲーム機ではまだ珍しかった「基本プレイ無料」のゲーム。ソーシャルカードゲーム(ソシャゲ)『無限のストラーダ』から設定とイラストの流用が見られるが、キャラクターをシステム的に(むりやり)カード化したものではなく、実際のトレーディングカードゲーム(TCG)に近い「デッキ構築型カードゲーム」となった。 ……と思われていたのだが、ソシャゲの理屈に無理やり戦略性をねじ込もうとしたせいか、どこを見ても問題点だらけ。果てには「100%防御不能の先攻1ターンキル」が開発されてしまい、もはやゲームになっていない状態であることを白日の下に晒されてしまった。 本作はあくまで「基本無料でオンライン課金・対戦もあるトレーディングカードゲーム」であり、フレンドを作って得をする「ソーシャル」要素は無い。 本項では初代PSVita版を取り上げているが、バージョンアップ版および他機種移植版も展開されている。それらについては、紹介程度に留める。 + PV(OPムービー) システム・ルール カードの設定 いわゆる「モンスター/クリーチャー」のカードのみ存在し、以下のパラメータが設定されている。 カード同士の戦闘時の、攻撃側が参照する「AP」、防御側が参照する「HP」、配置時に必要な「COST」。 属性:サイバーズ(人間/黄)、ケルズ(天使/緑)、デモンズ(悪魔/赤)の3種類。 種族:8種類あり、カードによっては1枚のカードが最大4種族を兼ね備える。神、天使、悪魔、精霊、不死、人間、機械、旧神。 属性:17種類あり、カードによっては1枚で最大6属性を兼ね備える。地、水、火、風、光、闇、善、悪、力場、物理、非実体、炎、冷気、電気、酸、音波、電撃。 特技:場で常時発動する効果。カードにより最低2種類、最大6種類を兼ね備える。 スキル:場への配置後、スキル固有のコストを追加で消費して任意で発動できる効果。カードは基本的にスキルを一個持つが、一部の低レアリティカードは持っていない。 「属性」という名前のパラメータが2つあるが、公式サイトによればこれが正式名称である。 「サイバーズ・ケルズ・デモンズ」は「勢力、陣営」などの表記が相応しくはないだろうか。(以降の本記事では、区別の都合上「勢力」と呼称する) 「特技」のテキストに従うと、17種類ある方の属性は「エナジー属性」と呼ぶらしい。 表現が重複していてダサい。 バトルの進め方 デッキは同名カード4枚まで・合計20枚まで、ゲーム開始時の手札は5枚。 プレイヤーは「指揮官」となり、カード同様にHPが設定される。 ターン開始時、デッキからカードをドローし、COSTの消費源となるMPが自動で補充される。 ドロー枚数は、手札が5枚以上なら1枚。先攻もドローするので、開始時の手札は事実上6枚。 手札が4枚以下なら、手札が5枚になるまでドロー。(もちろんデッキ枚数という上限はある) 場はプレイヤー1人がカードを5枚まで配置できる「スロット」によって構成される。 スロットにも《サイバーズ/黄》《ケルズ/緑》《デモンズ/赤》《中立/白》の4色の属性が存在し、中立以外ではスロットの色と置かれたカード勢力との相性(マッチング)によるステータスの増減が発生する。 いわゆる「召喚酔い」があり、「急速展開」の特技を持たない限り、配置されたカードはそのターン中に行動できない。 スロット配置済みのカードに対して、カードを重ねることで強化が可能。 支援:重ねたカード分のAPを上昇させる。『遊戯王カードゲーム(OCG)』で言い換えるなら「装備魔法扱いになるモンスター」のようなもの。 進化:同名カードを重ねて、AP・HP両方を上昇させる。こちらは「手札から場へ重ねると融合するモンスター」といったところ。 敵のカード配置済みスロットを選択すると、カード同士の戦闘となる。防御側のHPを攻撃側のAP分減らし、HPがゼロになると墓場へ置かれる。 空きスロットを選択すると「指揮官攻撃」となり、敵指揮官のHPを自分のAP分減らす。 指揮官攻撃されたプレイヤーは、カードを空きスロットへ移動させることで「機動防御」を行うことができる。 ただし、機動防御でカードのHPを超過したダメージは、指揮官へ貫通する。 敵指揮官のHPをゼロにするか、敵のデッキ・手札・場のカードが全て墓場へ置かれた場合に勝利。ギブアップコマンドもある。 ゲームの進め方 「任務」(ストーリーモード)に加え、「訓練施設」(CPU対戦)、オンライン対戦を行うことができる。 いずれのモードでも、バトルによって経験値・ゴールドを入手でき、経験値を溜めれば指揮官HPアップ、ゴールドを使えばショップでパックを購入できる。 ストーリーモードの各章をクリアすると、一度だけパックを入手でき、ゲーム内ショップで購入可能なパックも増えていく。 オンライン対戦では、非売品パックを報酬として入手できる。 「カードパック課金制」で、PlayStation Storeで有料購入できるカードパックがある。 問題点 デッキ枚数について 上限20枚「まで」…上限はあるが下限は無く、 極端な話1枚でも良い。 初期手札6枚以内のデッキなら望み通りの初手が100%の確率で揃う。 デッキ切れによる敗北・ダメージなどのペナルティも一切無い。 カードが全て墓地に置かれると敗北となるため、枚数を減らすことに一応デメリットはあるものの、後述する数々のパワーカードの存在故に、初手を固定できるメリットが遥かに上回る。 そもそもの話、望み通りの初手を意図的に揃えることは、カードゲームや麻雀などでは「積み込み」と呼ばれる 不正行為 で、駆け引き・運の要素を損なうものである。 デッキ枚数下限を「20枚」にしたとしても「同名カード4枚」「初期手札6枚」のルール故、目当てのカードを4枚投入すれば初手50%以上の高確率で引ける。 参考までに、他のデジタルカードゲーム(DTCG)では「デッキ20~40枚」「同名カード2~4枚」「初期手札3~4枚」といった具合。 カードパワーについて 本作は、レアリティが星の数で表される。 「レアリティが高いカードほど強い」というのはカードゲームにもソシャゲにも共通する基本原則だが、本作は並のソシャゲ以上にレアリティの格付けが苛烈。対人戦で実用に耐えるのは、ほんの一握りのレアカードのみ。(以降、無課金でも通常入手可能な星3以下は「低レア」、課金パック・対戦報酬パックからの入手に限られる星4以上は「高レア」と略記する) 具体的なステータスは、最低の星1でAP200/HP200/COST2、星3でAP600/HP600/COST4、最大の星5でAP2250/HP2250/COST8など。 能力値だけでなく特技・スキルも増えていくので、コスト比が釣り合っていない。 有料パックからデッキ投入可能な「進化済みカード」を入手可能である上、大半が進化前カードと同コストという完全な上位互換。 進化カード同士の進化でスキル・特技も強化される「超進化」も可能だが、「超進化済みカード」も同様に有料パックから入手可能。 ステータス差は進化・超進化で更に開く。星1でAP400/HP400/COST3に対し、星5でAP6000/HP5750/COST10など。 旧裏ポケモンカード/ポケモンカードGBで例えると「ヒトカゲにヒトカゲを場で重ねるとリザードに進化する。なお、いきなりリザードンを使ってもいい(*1)」という感じ。 進化によるHP・AP上昇は、厳密には「上書き」である。 HPは回復できるメリットがあるものの、APは支援に比べれば微々たる上昇量である上、支援効果はリセットされてしまう。 進化・支援の併用は困難であり、「進化済みカードの支援」ほぼ一択。進化済みカードの優位性を高めている。 高レアの一応のデメリットとしては、コストの増加が挙げられるが、MPは自動で補充される上に補充値も多く、ほぼ問題にならない。 ストーリーを進めていくうち、1ターン10以上=1ターンに1枚星5カードを必ず場に出せるほど多くなる。 最終盤では20以上補充されて、コストを使い切る前にデッキが切れる。 高レアが持つ「特技」「スキル」については、バトルのシステム面での影響が大きいため、後述する。 バトルについて 「バトルの進め方」にて記した内容を一部繰り返すが、あらゆる要素がモグラ叩き同然の圧倒的先攻有利を助長している。 先攻プレイヤーもドローする。3ターン目以降のドローは手札が上限5枚になるまでドロー。 急速展開の特技を持たないカードは、全て召喚酔いする。 急速展開があれば「先攻プレイヤーの1ターン目」でも攻撃宣言が可能。 攻撃側は一切のダメージを受けない一方で、防御側は機動防御だと貫通ダメージが発生する危険性まである。 スキル発動などを禁止する「ロック・先出し」はできるものの、「○○禁止無効」の特技には無視される上に、相手のカード配置・スキル発動を無効化するなどの「カウンター・後出し」がシステム上存在しない。 ただでさえ有利な先攻プレイヤーを止める術は一切無く、悪い意味の「ソリティア(*2)(*3)」そのものである。 カードに設定された数値が細かい上に、増減する要素も多く、難解。 AP1380/HP640のカードがあったり、AP100のカードが超進化するとAP275になったりする。 特技・スキルによる増減も10%,15%,30%,75%といった、キリの悪い数字ばかり。 加減算は、常に最新値で行う。掛け算に掛け算を重ねたり、掛け算したものを割り算したりするので、一桁目が0と5以外になることが多発する。 AP600のカードに「AP75%アップ」のスキルを使う場合、1回目は600の75%アップで1050、2回目は1050の75%アップで1837(小数点以下の切り捨て)。 スロットと勢力の相性による増減値は、「アンマッチ:AP0.8倍 HP0.8倍」「マッチ:AP2.2倍 HP2.2倍」「ベストマッチ:AP2.5倍 HP4倍」。やはりキリが悪い上、ベストマッチとそれ以外の差が開きすぎている。 ストーリーモードでは、バトルごとにフィールドの属性が固定されているが、それを事前に知ることができないので、フィールドを見てからギブアップしてデッキを組み直すことがほぼ必須となる。 あらゆる意味で、全体的に高レア有利のバランスになっている。 相性・特技・スキルのいずれの場合も、固定値ではなく割合(%)で増減するため、数百程度のステータスの低レアは雀の涙ほどで、数千以上のステータスの高レアはさらに強化される。 ベストマッチのHP4倍効果を受ける場合、HP400だと1600(+1200)であるのに対し、HP5750だと23000(+17250)になる。 高レアは強力な特技を複数持つことが多く、例えば「物理属性からの攻撃75%減少」「酸属性に対して攻撃力2倍」「星3以下からの攻撃1/2減少」という風になっている。 特に「星2もしくは星3以下からの攻撃を、減少もしくは無効」という特技を持った高レアが多く、低レアに存在価値は無い。 本編中盤(6~7章)以降のCPUは、このようなカードも大量に使用する。無課金・少額課金ユーザへの露骨な圧力で、難易度の調整や課金に対するバランス感覚が歪である。 高レアは属性も複合的に、例えば「地・闇・悪・物理・冷気・音波」という風になっているが、こちらはむしろデメリットである。 先述の通り「特定の属性からの攻撃を、減少もしくは無効」「特定の属性への攻撃力が増加」という特技が存在しており、属性が多ければ多いほど引っかかりやすい。 半端な数値、多すぎる属性とスキルといった様々な要素で「手札にある時」と「場に出た時」でステータスが変わったり、何もダメージを与えられなくなることがほぼ全てのカードで発生する。 「このカードで、あのカードに、Xダメージを与えて破壊する」のような戦略の構築、盤面の把握が事実上不可能と言い換えていいほどに困難。 場で変動した数値は常に表示されており、ダメージ計算も当然自動で行われるが、人間の理解を超えて戦略性という醍醐味を味わえなければ、本末転倒である。 そんな中で一際輝くのが、戦闘すら不要になる「自らを犠牲にして場のカードを墓場に送る」除去効果のスキル。 効果対象も「敵味方問わず・敵のみ」「3勢力のうちいずれか1つ・勢力問わず全て」と、やたらにパターンが豊富。 しかも「敵のみ・勢力問わず全て」という最強除去の星5カードを、対戦報酬パックから入手できる。 「進化禁止」「スキル発動禁止」「機動防御禁止」などの禁止系スキルに対しては、「進化禁止無効」「スキル発動禁止無効」「機動防御禁止無効」という 小学生のケンカのような 耐性特技が存在するが、「除去無効」の特技は存在しない。 そして「墓場のカードを手札に回収する」スキルが存在する。 先攻を取れば「除去と回収」だけを回し続けて勝利できる。 相手はカードを出せば墓地へ送られて負け、出さなければ直接攻撃されて負け。すなわち「待ちガイル」である。 カードを組み合わせたコンボはせいぜい「除去と回収」、「特定の種族が配置されているとコスト減少」の特技を生かせる程度で、ドロー加速や手札破壊といった駆け引きなども無く、デッキ構築の要素は薄い。 「レア度の違いによって絶対的に能力の違いが出る」「課金した方が有利」という原則はソシャゲによくある不文律であるが、ソシャゲがそれでも娯楽として成り立つのは、ルールとして単純な分、手持ちの消費アイテム等の(リアルマネー・リアル時間含む)リソースのやりくりによって彼我の戦力差を覆す「金・時間・物量・工夫でなんとかする」立ち回りが可能なためである。 プレイヤー同士の一対一、お互い同じ量の限られたリソースしか与えられないTCGに、この不文律をそのまま持って来れば、ゲームとして破綻するのは当然である。 オンライン対人戦について~「100%先攻1ターンキル」の存在 オンライン対人戦では、カードを場に配置せず、スキルを手札から捨てて発動できるルールが追加されている。 本来はカードの配置コスト・スキルの発動コストで二重の負担がある上に、スキルも召喚酔いの影響を受けるため待ち時間が発生する。そして、相手からは急速展開カードに奇襲される=待ち時間の相手ターン中に破壊されるリスクを負う必要もある。 しかし手札からのスキル発動により、配置コスト・待ち時間・破壊されるリスク、3点を踏み倒してしまう。 このモードではターン進行時の補充MPが10固定なので、コスト10超進化カードを次々配置するような単純なプレイはできない。 なのだが…「死亡時にプレイヤーのMPを15補充する」という、壁モンスターとして使えば相手の攻撃を牽制するスキルが、この対人戦モードでは「MP1で手札からこのカードを捨てて、MPを15補充する(+14)」というとんでもないカードに変貌しており、事実上MP24スタートが可能となっている。 初期MPを2倍以上にできるというだけでも相当マズいが、ここからが本番。 山札(手札)6枚から「MP補充」「空きスロットの勢力書き換え(強制ベストマッチ)」「場のカードの攻撃力上昇」「支援効果」を駆使して「急速展開カード」を徹底的に強化していくと、急速展開の攻撃力が指揮官HPを上回る。繰り返すが、急速展開は「先攻プレイヤーの1ターン目」でも攻撃宣言が可能。 これが本作最大の問題点、初手で必ず揃う6枚以内のデッキによる 「成功率100%の先攻1ターンキル」 である。 「待ちガイルVS待ちも許さない開幕10割即死コンボ」「遊戯王OCGでエクゾディア(*4)が初手で必ず揃う(*5)」「ブラックジャック(*6)をAとJだけで遊ぶ(*7)」等々……要するに「先攻を取った方が勝ち」ということで、対戦ゲームとしての存在価値は皆無である。 無課金でも手に入る除去+回収カードに対し、こちらの速攻を含む数枚のカードは要課金。無料でもクソ、課金すれば更にクソ。 当然「除去スキル」も手札から発動できる。 先攻1ターンキルが成立しなかった=そのデッキを使わなかったor操作ミスをした場合、後攻は相手の場を除去スキルで一掃してからほぼ同様の手順を取ることで(*8)100%後攻1ターンキルが可能。 ただし先述の通り「先攻を取った方が勝ち」という環境であり、後攻前提でデッキを組む必要は無い。 1ターンキルを自粛すると、今度は手札除去スキルに怯える「後攻絶対有利、先にカードを出した方が負け」という、ここまでの説明とは真逆の膠着状態で遊ぶことになる。 除去スキル持ちカードは自身を墓場に送るので、お互いに最後の一枚(もしくは最初から一枚のデッキ)だと、同時に敗北条件を満たすのだが、除去スキルを発動した場合はターンプレイヤーが勝者となる。引き分けですらない、理不尽な暴力。 本作はそもそもがマイナーな上に、この環境では、まともなオンライン対戦が望めるはずもない。 掲示板などで対戦相手を募り、報酬パック・トロフィーを目当てに互いにデッキを1枚にして即決着orギブアップを繰り返す異様な光景の談合が行われる…ことでさえ、稀である。 対戦部屋の全体的な仕様も、1対1の対戦と最低限のチャット機能しか用意されておらず不便。プレイヤー名がPSNのID名で固定、個別レギュレーション設定不可、対戦部屋の名付け不可、パスワード設定不可、入室後デッキ編集不可、多人数での観戦・チャット・入れ替え戦なども不可。 レギュレーションを自主的に設定しようにも、部屋に名前を付けることもできない上、チャットで話し合ってもデッキを組むのに出直さなければいけない。うっかり人違いでバトルを始めてしまったら、即ギブアップしなければいけない。もっとも、元々が過疎なので、これらの心配は全て杞憂である。 先攻・後攻は自動で決まるので、最終的には先攻を祈るだけ、介入不能な正真正銘の運ゲー。ジャンケンレベルの駆け引きすら無く、 コイントスの方がマシ。 有料カードパックについて PSストアで購入できる有料パックは、パックごとにレアリティ固定かつ、価格もレアリティに比例して高くなる。 別にレアでも何でもなく高いカードは星が多くて強いという身もふたもない状況。 一定以上のレアリティが課金専用というのはソシャゲによくある設定で、「★5確定福袋」のように金額の設定に用いることも、無いわけではないが…。 レアリティの格差があるより健全…なように見えるかもしれないが、パック内のカードは選べず、「進化(超進化)済みカード」も混ざっているので、結局当たり外れのあるガチャと同じである。 パックの収録カードリストが非公開であり、紐無しバンジージャンプ同然である。目玉商品となる強力なカードの紹介、収録内容の公開をしていない点でも、TCG・ソシャゲと比べて手抜きと言わざるを得ない。 一応、「サイバーズパック★★★」「12宮天使★★★★パック」など、パック名で収録カードは大まかに分かるようになっている。CPU戦・オンライン対戦で使われたカードなら、スクリーンショットを撮ればそのカードに限り内容を知ることはできる。パックの収録数と比べれば「多少」程度だが。 「パック」と「★」の挿入箇所がズレている、カードテキストでは「☆」でパック名では「★」になるなど、細部に規則性が見られないが正式名称である。 無課金でも入手可能な星3カードは1枚100円、最高レアリティの星5カードは1枚308円。 5枚入りパックはカード1枚分程度が割引される。星5カードの場合、1枚308円→5枚入りパック1234円(1枚あたり約250円)。 + 有料パック価格一覧 パック レアリティ 1枚 3枚 5枚 サイバーズパック ★★★ 100 250 350 ケルズパック デモンズパック 電撃パック レアパック ★★★★ 200 500 750 12宮天使パック 12柱悪魔パック エージェント事務局パック ★★★★進化カードのみ封入 257 617 1,028 創世の秘蹟パック ★★★★★ 308 771 1,234 本作の販売スケジュールは以下の通り。本体+追加ストーリーは無料、パックは有料。 2014年4月22日:本体(1~5章)配信、星3パック販売開始 4月30日:6章配信、星4レアパック販売開始 5月13日:7章配信、星4天使パック販売開始 5月27日:8章配信、星4悪魔、星4事務局パック販売開始 6月3日:最終章用追加データ「追加カード画像・エンディング画像」配信 6月10日:9章+最終章配信、星5創世パック販売開始 本体には「全11章のうち第5章までを収録」と書いてあるが、本体2.7GBに対して追加ストーリー数百KBであり、アンロックしているだけ。 ただし、最終章だけは「追加画像」として300Mほどの別データが用意されている。何故それだけ別データになったのか…? カードパックの追加販売時にもゲーム本体はアップデートされておらず、元々ゲーム内に存在しているカードデータがアンロックされているだけ。厳密な意味で「カードの追加」は行われていない。 これらのアップデート対応も2ヶ月足らずの打ち切り同然の短期間で終了している。バトルにもコレクションにも目新しさが生まれるはずもなく、TCGとオンラインゲーム、どちらにも完全に劣っている。 8月19日~26日の1週間のみ「サマーキャンペーンパック」が販売されていたが、既存カードの詰め合わせで失笑を買った。 星3パックと同じ価格ながら、カードは星3~5まで、特に全種類の星5が収録されており、少々目を引いた。封入率がどうだったか、今となっては定かではないが。 同時期にSCEが『PS Vitaで基本プレイ無料のゲームを遊びつくせ!キャンペーン』を開催しており、これに合わせたものだったと思われる。SCEはもう少しまともな作品を選んだ方が良かったのではないだろうか。 同じく夏ごろに「その他調整」と称されたアップデートが行われているが、ゲームバランスの調整などは全く行われていない。 「カードパック未開封のセーブデータ」をオンラインストレージへアップロードして、パック開封後にセーブデータをダウンロードすればパックを未開封に戻せる、つまり「有料パックの引き直し≒リセマラ」ができたのだが、アップデート以降それができなくなったと言われている。 なお後述の通り、続編・別タイトルとしてのバージョンアップで一部にはバランス調整が加わっている。 その他の問題点 イラストについて 受け手のセンス・評価基準にもよるが、カードイラストの多くは商業用ゲームのレベルに達しているとは言いがたい。元のソシャゲからして業界内でもレベルは低く、コンシューマでは尚更。 その割に本作は セクシャル(性的表現) でCERO Dに指定されており、身も蓋もない言い方をすればエロ要素で釣る気満々。超進化カードで女性キャラクターの露出を増やすものが多く、全裸で体育座りさせて、髪で乳首を、足の角度で陰部を隠すだけという、かなり過激なものもある。 褒めどころ・エロの有り難味、鑑賞に耐えるものが全く無いわけではないが、両手で数え足りる程度で、とても評価点にはならない。 メインキャラクターの多くを担当している鈴木典孝氏は、1990年代から2010年代現在までアニメ業界を中心に数多くの実績がある。発注の指示内容や仕事量の多さなど、何か問題があったのだろうか。 イラストに魅力を感じずプレイを見送ったユーザーも多いのではないか?と思われるが、上述の通り、ゲーム性が破綻しすぎていて、正直それどころではなかった。 種族・属性について 「神・旧神」「火・炎」「電気・電撃」といった、種族・属性ともに紛らわしい表記が多すぎて見分けのつかないものがある上、これらを組み合わせているカードもある。 「電撃」とはKADOKAWA/アスキー・メディアワークスの「電撃」であり、「電撃パック」(『電撃マオウ』イラストレーター)のカード、『電撃プレイステーション』特典カードの専用属性である。名前を考え直した方が良い。 最大で8種類の種族のうち4種族を併せ持つ、17種類の属性のうち6属性を併せ持つ、など完全に設定の盛りすぎなカードたち。 「不死+人間+機械+旧神」という種族のあり方が疑われるカード、「物理+非実体」「光+闇+善+悪」という矛盾した属性を併せ持つカードなど、世界観との整合性を取る気を感じない設定も疑問。「光+闇」のような相反属性だけなら、よくある設定だとしても…。 カードの詳細画面での「種族・属性の表示方法」が種族名全8種・属性名全17種が文字で羅列されている中で、該当するものを色分けで表すというUI設計も劣悪。必要な情報を一見して区別できない。 無論、同じ画面にカード名、AP/HP、諸々の情報が他にも存在するのは言わずもがな。紙のカードでやるなら読めないぐらいの文字数になると言えば、この異常性が伝わるだろうか。 UI設計について 「種族・属性」の見た目でも分かる以上に、見た目でも動作でもUIの甘い作りこみが目立つ。 カードの情報は上から順に「名称」「勢力」「フレーバーテキスト(*9)」「特技」「スキル」である。 特技がただでさえ複数・長文で存在するカードは、いちいちスクロールしなければいけない。 一般的なTCGのフレーバーテキストは、効果欄と関係無い場所や、特殊効果を持たないカードにだけ書くなどの配慮で、世界観補完は二の次となるのが通常である。 文字フォントに見慣れたゴシック体・明朝体しか使われておらず、『ツクール』製のような安っぽさを感じる。 「タッチによる分かりやすい快適な操作」を謳っているが、タッチ操作にしか対応しない。画面内に表示されるボタンの大きさや反応速度も調整不足で、思い通りに操作できないことも多く、快適には程遠い。 ストーリーモードのスキップ機能は、「余裕でテキストが読める程度の速度」にしか加速しない。一方で、スキップボタンが小さく反応が悪いため、「止めるのに失敗して戦闘前にセーブができなかった」という報告も多い。戦闘を挟んでもスキップ状態が止まらない仕様も合わせて、連戦時は特に悲惨なことに。 試合中は、殆どの行動の度に5~10秒ほど演出が挿入されるため、試合のテンポは異常に悪い。もちろんカット不可。 ゴールド(ゲーム内通貨)でパックを購入する際、あらかじめ設定された購入数から選択する方式であり、自由な増減はできない。「1枚・5枚・10枚・所持金で買える分全部」の四択である。 結果、潤沢なゴールドで低額パックを購入しようとすると10パックの次がいきなり1000パック以上という加減の知らなさにも程がある有様となる。実際買う必要はほとんど無いが…。 カードの売却も同様に「1枚・5枚・10枚・全部」の四択からの選択である。また、一度売るたびカーソルがカードリストの一番上に戻ってしまうため、「必要数を残してまとめ売り」をしたい場合には異様に手間が掛かる。 誤植について 数自体は(酷いものと比べれば)まだマシだが、致命的なものがある。 電撃パック収録カードのテキストに「不二原理香」のクレジットがあるが、「不二原理夏」氏の誤植。 スタッフ・キャストの誤植は言うまでもなく非常に失礼なことだが、謝罪も訂正も行われていない。 よりにもよって最上位・最難関であるゴールドトロフィーで「イニフィニタマスター」の誤植。 "infinita strada"とは、やや馴染みの浅いイタリア語表記だが、その発音を「イニフィニタ」と表記することは、間違いなく無い。 恐らくローマ字入力で「i-nn-fi-ni-ta/インフィニタ」となるべき箇所の「i-ni-fi-ni-ta/イニフィニタ」というタイピングミス。打ち込んでみるとよく分かるが、"i"と"n"が頻出して紛らわしい。 評価点? 「基本無料」である以上、わずかながら評価点を見出す余地はあるが、以下のようなものだろう。 「Time is money/時は金なり」ということわざにもある、金銭だけが全てではない「時間の大切さ」を強く実感できる(かも知れない)。 無料で遊ぶだけでもほぼ間違いなくクソだと分かり、金をドブに捨てる可能性は低い。 とはいえ、それはそれで「見えている地雷」である。 そもそも、本作で致命的なのは「課金カードで先攻100%1ターンキル」「無料でもクソ、課金すれば更にクソ」。課金すればするほど、このゲームのつまらなさを理解させられるという点である。 総評 「有料体験版」「金を返せ」などと揶揄されるゲームは数あれど、本当に無料でもやる価値が無いゲームは、コンシューマーでは正に前代未聞。 「デッキ下限設定なしで初手積み込みできるカードゲーム」という第一印象だけでも、相当に危険な雰囲気を感じられるが、 異常に高いカードパワー、圧倒的な先攻有利のルールなど、とにかく懸念要素が散見され、最終的に「100%先攻1ターンキル」へと行き着く。 本作の問題点の数々は、多少のテストプレイや、他所のカードゲームのプレイ経験が伴えば、未然に気づけるはずの内容ばかりである。 「バランス調整に失敗した」というより「バランスを取る気が無い」と表現する方が、感覚的にも結果的にも近いだろう。 現在はバージョンアップ版・移植版で改善された部分も一応あるが、イラスト・キャラクター、デジタルカードゲーム、どれが目当てでも、市場での選択肢は非常に多い。 『ハースストーン』『Shadowverse』を筆頭に、基本無料のパック課金制・ネット対戦可能なデジタルカードゲームは多数配信されている。 実際のTCGをデジタル化したものにも、同じPSVitaで遊べる・3000円買い切り・アドホックパーティーで遠隔対戦にも対応できるPSPソフト『遊☆戯☆王ARC-V TAG FORCE SPECIAL』がある。 これらの競合タイトルにおいても、パワーカードのゴリ押しや下方修正などのバランスの悪さに振り回されることはあるだろうが、モグラ叩きに終始したり、カウンター手段すら無く1ターンキルが100%成立する本作よりはマシ。 本作より8年も前に発売されている子供向けアニメのキャラゲーである『ドラえもん のび太の恐竜2006 DS』でさえ、本作よりも本格的なカードゲームを楽しめるはずだ。 トロフィー目当てでも、複数回の対人戦を要するのものが含まれているため、過疎の中ネットで対戦相手を探す、怒らないでいてくれる友達を付き合わせる、Vitaを2台購入する……いずれにしても厳しい道のりである。 よって、本作の存在意義はほぼ皆無と言えよう。無料で遊べるクソゲー入門用題材・教材が関の山。 備考 『クソゲーオブザイヤー』(KOTY)での審議の末、2014年携帯機部門大賞を受賞。 登場当初は数値のインフレと除去が強すぎるという2点のバランスの悪さが指摘されていたが、課金させるための当たり前のものという反論、基本無料ゆえの審議の可否を問う意見もあった。しかし検証の結果、課金も含めた全カードのリストアップで除去対策が存在しなかったこと、更に100%1ターンキルが開発されたことにより「コイントスの方がマシ」という評価を決定的なものにしてしまった。 基本プレイ無料タイトルとしてKOTY史上初のノミネート 大賞受賞。サービス初期の『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』が話題になったことがあったが、そちらは選外とされている。 通称『タダ(ターダ)』。「基本無料(タダ)」であることと『インフィニタ・ストラーダ』の後ろ2文字に注目して名付けられた。 アニメ化もされた美少女ラノベ『インフィニット・ストラトス』(IS)と語感が似すぎている上、本作と同じ2014年に、あちらのPS3/PSVita用ゲームが発売されている。 当時のKOTYでも(半分ネタかもしれないが)混同するような書き込みが見られ、『タダ』と名付けられたのは、混同しないようにする意図もあった。(『タダ』と略せることを面白がられたのも事実のはずだが) 実際に本作がその混同を狙っていたのかは、証拠不十分、与太話の域を出ない疑惑に留まる。 『IS』は2011年1月からのアニメ放送後、BDが当時の売上トップへ躍り出るなど、好評を博していた。 2012年12月リリースのソシャゲ版『無限のストラーダ』で、ロゴ画像には既に『Infinita Strada』の副題が付いていた。 本気で混同させるつもりなら、『IS』のアニメ放送から一年以内で『無限のストラーダ』を企画、リリースまで漕ぎ着けるという、かなり無理のあるスケジュールである。 PSストアでの評価は1149件平均2.55点(5点満点、2015/12/20時点)という最低ランク。基本無料とは言え、購入者しか評価できないPSストアでは異例の低得点。基本無料タイトルで見ればワースト1位(*10)。 『基本プレイ無料タイトルのトロフィー争奪戦キャンペーン』(2014年~2015年の年末年始)、『~第2弾~基本プレイ無料タイトルのトロフィー争奪戦キャンペーン』(2015年5月末~6月初旬)、2度に渡りSCEが基本無料タイトルを対象としたキャンペーンを実施していたが、本作にとっては逆効果だったと思われる。第1弾終了時の15年1月初旬時点で既に934件平均2.56点、第2弾開催中の2015/06/04時点で1047件平均2.54点を記録している。 開発元のAMGエンタテインメントは、専門学校(*11)「アミューズメントメディア総合学院(AMG)」を中心とした『AMGグループ』に属している。本作は「産学共同ゲーム作品」として制作され、在校生・卒業生がプランナー、イラストレーター/デザイナー、声優として参加している。またその縁か、伊藤かな恵氏や加藤英美里氏など、同校を卒業した有名声優も参加している。 卒業生という伝手(貸し)があるとはいえ有名声優の起用、「電撃」とのタイアップ、以前から存在していたソシャゲ版など、明らかに学生企画ではないお膳立ての形跡がある。プランナーというのも、プロデューサー/ディレクターよりも下の役職であり、基本的には商業ベースで制作されている。 在校生の非は極めて少ないと思われるが、「専門学校制作のクソゲー」という誤解が度々見受けられる。逆に言えば、そう噂されるほど本作が商業レベルに達していないということでもある。これでは宣伝として逆効果ではないのだろうか…。 ソシャゲ版『無限のストラーダ』は、GREEで2012年12月、モバゲーで2013年2月、ヤマダゲームで2013年5月から配信されていたが、いずれも14年8月下旬にサービスを終了した。 一番長いGREEでも、2年未満のサービス期間である。界隈自体に短命の傾向があるとはいえ、この状況で更にコンシューマへ参入するのは無謀だったとしか言えない。 先に述べた通り、本作はアンロックに終始して、純粋なアップデートはほぼ行わなかった。 バージョンアップ版、移植版 PSVita版はバージョンアップ予定の延期を繰り返し、他機種への移植版の方が先に発売されている。 移植版ではタイトルを『Eternal Destiny』と変更している上に、PSVita版の公式ホームページおよび公式Twiterも更新を停止して移植されていることを公表すらしていない。 これは『Eternal Destiny』=『インフィニタ・ストラーダ』=「クソゲー」という連想ゲームと風評被害の対策と思われる。 KOTYで話題に挙がったこともあり、本作について検索すると、惨憺たる有り様が広がっている。 本作を配信した同年、東京ゲームショー2014にて、『インフィニタ・ストラーダ 華』へのバージョンアップを2014年冬予定で発表。開発元のHP「AMG GAMES」に配信予定時期を掲載していたが、1年以上延期を続けた上、2016年2月からは掲載も外されてしまい、もはや完全にお蔵入り……と思われていた。 ところが2016年4月21日、『Eternal Destiny』としてSteam版の配信を開始。 販売形式が大きく異なり、日本円1000円程度+300円の有料DLC×全6回の買い切り制(総計2800円)で、ガチャなしで全カードが入手可能。 英語字幕表示の対応、『華』での登場が一部予告されていた新システム・新カードの登場、デッキ下限枚数の設定などの追加・変更点も多い。 カードに育成用の「レベル」が追加され、同カードや育成素材を使ってカードを育成する要素の追加が大きな変更点であり、カード収集RPGの趣が強い作品となった。 本作の問題点である「調整を放棄した無茶苦茶なカードバランス」も逆に無双的な爽快感を生み出しており、ユーザーからの評価は好評。 また、2017年6月まで1年以上アップデートを続けた結果、「マインスイーパーモード」やRPGツクール向け素材の配布など、Vita版と比べて独特の進化を遂げていった。 なお、2016年当時のSteamの規制に合わせ、露出度の高かった一部カードが水着を着るなど変更されている。 2018年5月22日、当初予定されていたPSVita版『インフィニタ・ストラーダ 華』が、突如として配信開始。 Steam版の好評を受けたのだろうか、発表から3年以上が経過してようやくである。 アコギな価格設定の基本無料・カードパック課金制はそのまま、ダンジョンモード用のスタミナ回復薬など新たな課金要素を追加している。 更に3年後の2021年9月30日、『THE カードバトル ~Eternal Destiny~』のタイトルでSwitch版の配信を開始。Steam版をベースに更なる追加・変更点のある「最終バージョン」とされる。 Steam版DLCを同梱して1980円の買い切りにした代わりに、時短要素としてカードパック課金制を復活採用。 あくまで時短であり、買わなくてもコンプリートは可能。また、パックに設定されたカードから任意に選択して獲得可能と、これまでと比べれば良心的と言える設計。 Steam版から更に新カード・新シナリオを追加収録。 ただしボイス無し仕様であり、既存カード・シナリオもボイスを全て削除されている。 なお、ボイスが無くなったことで、バトルのテンポは(グラフィック演出を除けば)向上しており、進化素材を求めてダンジョンを周回するゲーム性には合っている。 一人用のカード収集RPGとしてのゲームモードしか存在せず、対人戦を行えなくなっている。 もっとも、対人戦の評価は先述した通り。Steam版の時点でも過疎過ぎて実績獲得のハードルを上げており、育成要素の導入でまともなバランスも一層望み薄になっているので、後述の通りこの路線を強化するなら賢明な判断かもしれない…。 オンラインプレイ自体は、CPU相手のスコアアタック・ランキングが存続している。 Steam版では育成素材の入手の関係で星4以上のカードはレベルを上げるのが非常に難しかったのだが、高レアリティのカードにも育成素材を安定して入手する手段が追加され、更に育成の重要性が高まった。 ちなみに最高レベルは1000。ここまで育成すると星5超進化カードならAP/HPの基礎値が30000超えは当たり前。指揮官を討伐する通常形式のバトルなら、なんのお膳立ても無しに急速展開で1ターンキルが出来てしまう。対人戦が無くて本当に良かった。 特技やスキルに大幅な見直し・下方修正が加えられ、同名カードを複数集めたり一定レベルまで育成することではじめて習得可能になったり、MPが大幅増加、対象の属性を制限されるなどしている。 カードだけではなく、特技やスキルにも育成要素が追加された。本作やSteam版で猛威を振るった急速展開や除去は、この強化を経てようやく実用的な性能になる育成のご褒美的な扱いのスキルとなっている。 その他にも色違いで通常の指揮官とは異なる特技を持つ「スーパー指揮官」、同名カードでも勢力が異なり特技やステータスも全く別物の「アナザーカード」など新たな要素が追加され、カード収集RPGとしては破格のボリュームを誇る。 総合的に、無料でもやる価値がないとまで評された本作と違い、作業ゲーが好きなプレイヤーからはSteam版と同じく評価されている。 D3パブリッシャーからの配信で「THE」の名を冠しているが、SIMPLEシリーズとは一切関係ない。
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ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド 【だうんたうんのがきのつかいやあらへんで ぜったいにつかまってはいけないがーすーくろびかりらんど】 ジャンル 絶対つかまってはいけない対戦逃走アクション 対応機種 ニンテンドー3DS メディア 3DS専用カード 発売元 アルケミスト 開発元 企画 プラネットG 開発 リリースユニバーサルネットワークスタジオ最前線 発売日 2015年12月17日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1~4人 セーブデータ 2個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点 ガバガバなAI・マップ・カメラ鬼の仕様が極端すぎる時々発生するエラー落ちある意味出演者の気持ちがわかる 日本テレビ関連作品リンク クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 あらすじ ゲーム内容 操作 ゲームの大まかなルール その他の遊び 問題点 原作企画との相性 ゲームそのものの問題点 評価点 総評 余談 概要 日本テレビ系列の深夜番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』発祥、2020年まで放送されていた大晦日年越し企画「笑ってはいけないシリーズ」の「笑ってはいけないスパイ24時」以来登場したワンコーナー「絶対に捕まってはいけない」をモデルにした鬼ごっこ・障害物競争のようなゲーム。 あらすじ ガースー黒光りランドに囚われてしまったプレイヤーは、他の逃走者であるガキメンバーと協力して黒光りランドのボス、ガースー大王を倒すことに。 ゲーム内容 鬼の探索をかいくぐったり追跡を脚力やアイテムを使ってかわしながら、ゲームで定められた目標をこなすのが本作の大まかな流れ。 原作要素はそれなりに登場するが、そこから改変されている部分も多い。 操作 基本 ゲーム開始時にマイキャラ(途中からの性別と名前は変更不可)を決めることになる。 鬼ごっこの参加者は基本的に4人。一人プレイではプレイヤーはマイキャラを操作し、残りはガキメンバーことレギュラー出演者であるダウンタウンの「松本人志」「浜田雅功」、ココリコの「遠藤章造」「田中直樹」、「月亭方正」のデフォルメキャラが務める。 ダメージという概念は存在するが、体力などはなくいくら怪我をしてもゲームオーバーはない。 移動はスライドパッド対応、L・Rボタンでカメラアングルを左右に回転可能。 投擲 Aボタンで目の前の物体をつかみあげ、再度Aを押すと前方に山なりに放り投げる。ライバルも担ぎ上げることができる。ライバルが物体を持っている状態の場合、ライバルだけを担ぎ上げることになりそれまで持っていた物体は近辺に落下する。 アイテムを持ち運んでいる間は移動速度が下がり、途中で鬼のお仕置きやステージギミックによるダメージなどを受けると持っていたアイテムを落としてしまう。ダメージにひるんでいる間は目の前の物体を担ぎ上げることができない。 アイテム 投擲とはまた別にプレイヤーの探索を補助する消費型のアイテムがある。 ステージ各所に置いてある箱を触るとストックされて、Xかタッチパネルの専用アイコンに触れることで使用できる。 鬼から逃げるもの、ライバルを妨害するもの、マップ全体を一望しアイテムの位置を確認するといったものがある。 コスチュームという原作にはないシステムが存在し、鬼の罰ゲーム(及びその巻き添え)、ステージギミックなどでダメージを受けるとインナー姿になってしまう。コスチュームを着ていないとアイテムが取れず使用もできなくなるため、使いたい場合はステージ各所にある更衣室に入る必要がある。 + アイテム一覧 火の玉 プレイヤーの前方に火の玉を発射する。 電撃ドクロ プレイヤーの周囲に設置型の電撃を配置する。触ると連続的にヒットする。 たらい、爆弾、うんこ、ニセアイテム箱 プレイヤーのいる位置に設置する形で配置するアイテム。 たらいは比較的当てるのが難しい。爆弾とうんこは触ったり爆風に巻き込まれるとライバルにはダメージ、鬼はひるませられる。ニセアイテム箱は障害物として使える。ニセアイテム箱以外はプレイヤー本人にもダメージが及ぶので注意。 藤原寛 使うと自分以外のライバルすべてのアイテムを没収する。 消える薬 一定時間透明人間になる。鬼に追跡されているときはこれを使うだけで撒くことが可能。 駿足 一定時間移動速度が上昇する。物体を運んでいる状態に対しても多少の効果を発揮する。 無敵 一定時間ダメージを受けなくなり、この状態の逃走者にぶつかったライバルや鬼はダメージを受けて転ぶ。 虫眼鏡 使うとマップ全体図を一望する。Yボタンを再度押すことで、元通りの表示に戻る。 秘宝集めで使用すると秘宝の位置が表示されるようになる。 浜田ゴリラ 使うと目的地へと一瞬でワープする。 マップ 下画面に表示される。プレイヤーと鬼の位置、レースにおける次のチェックポイントとゴールの位置が表示される。 Yボタンで表示方法の切り替えができる。具体的にはプレイヤーの向きに合わせて回転させるか、固定させるかの2種類。 基本的にプレイヤーの近くしか表示されないが、虫眼鏡のアイテムを取ることで一定時間全体を見渡すことが可能。秘宝集めの場合は秘宝の位置もわかる。 その他、マップには「ガースーコイン」と呼ばれるコイン型のアイテムが散らばっている。おにごっこ中に効果はないが、クリアしたときに所持していたコインは持ち帰ることができ、ゲーム内の買い物に使うことができる。 ゲームの大まかなルール 黒光りモード いわゆるストーリーモード。作ったマイキャラに対してガキメンバーをデフォルメしたNPC3人がライバルとなって登場。以下の3つのゲーム(秘宝集め、レース、サバイバル)を5分ずつ行い、総合得点を競う。 「ヘイポー」、「ピカデリー梅田」、「腰振りおばちゃん」、「新おにぃ」、「板尾創路」の名前を冠したチャレンジがある。 ヘイポー、梅田、おばちゃんの3つを総合1位でクリアすることで新おにぃ、板尾のチャレンジが解放され、この2つをさらに総合1位でクリアすることで、最終ステージであるガースー大王チャレンジに挑める。 + 3つのゲームの詳細 第一戦:秘宝集め ステージに散らばる秘宝を抱えて、スタート地点にある噴水のようなオブジェへと投げ入れるとポイントになる。 金は5点銀4点銅3点、赤と青は1点、時間の許す限りランダムで出現し続ける。 第二戦:レース 鬼に会わないように走り、各所のチェックポイント7つを順番に通過していく。この後にゴールにたどり着くとクリア。早くたどり着いた順にポイントが割り振られる。 マップにはゴールと次のチェックポイントの位置が表示されるほか、足元の矢印が大まかに次のチェックポイントおよびゴールのおおまかな方角を示してくれる。 第三戦:サバイバル ルールはシンプルで鬼に捕まったら即退場。 生き残った時間の長さに応じてポイントが振り分けられる。 1~4位から順に、20、10、5、1点が基本。レースでは前の人にあまりにも差をつけられたりすると、サバイバルではあまりにも早く脱落したりすると点数が入らない模様。 タイムアップまで生き残ると1位とみなされ、必ず20点入る。 ボスバトル 6つめのガースー大王チャレンジのみで行われる。 ステージに現れる青いオブジェをつかみあげて中央にいる「ガースー大王」に向かって投げつける。 オブジェは落とすと爆発し爆風に巻き込まれるとダメージ。「ガースー大王」に当てることができればポイント1点が入る。 青いオブジェを持つキャラを担ぎ上げるとオブジェがその場に落下し爆発してしまうので、秘宝集めと異なり青いオブジェを奪い取ることはできない。 制限時間は存在せずガースー大王を倒した時点での得点の高さに応じて順位が分けられる。 黒い鬼 プレイヤーを見つけると追いかけまわしてくる。彼らに捕まると「デデーン!」の効果音の後、「(マイキャラの名前に応じたニックネーム)、OUT!!」とボイス付きで言われた後にお仕置きを執行される。 鬼はマップに配置された黒いロッカーのようなオブジェの近くにいるとそこから一定間隔で出現する。 足の速さや索敵範囲には個人差があり、なかには普通に逃げているだけで追いつかれない鬼もいる。基本的に罰ゲームは捕まらないとどんなものになるかわからないが、蝶野や江頭2 50、ムエタイ戦士といった例外もいる。 基本的に食らった後は服が脱げるのはもちろんのこと、キャラは痛みにひるみ続けるため食らった後の数秒はいつも通りに走れない。 + キッツいお仕置き一覧 吹き矢、ケツハリセン 比較的普通な罰ゲーム。 ハットしてグー 爆竹付きのメキシカンな麦わら帽子をかぶせられる。その後、プレイヤーめがけて一定時間爆弾が落下し続けるが、罰ゲームの中で唯一うまく走り回ればひるまずに抜け出すことが可能。しかし一回でもあたってしまえばフラフラになってしまいその後の爆弾にもヒットし続けることになる。 パイ投げ 投げられた直後は視界不良になり、操作面でもスライドパッドの通りにまっすぐ走れなくなる。 蝶野ビンタ、さそり固め、江頭2 50ガス 集めたコインが周囲に飛散してしまう。 タイキック 蹴られるまでにムエタイ戦士が踊るため、お仕置きを受けるまでのタイムロスが他のものよりも多め。また蹴られると彼方まで吹っ飛ばされ、別の場所にワープさせられる。 その他の遊び フリープレイ、みんなで遊ぶ 好きなルール(秘宝集め、レース、サドンデス)を選び、ステージ、制限時間(1~10分)、アイテムの有無を選択する。 ガースー城を選ぶとガースー大王討伐のみ行える。 「フリープレイ」はNPC対戦、「みんなで遊ぶ」は本ソフトを持っているプレイヤーとローカル通信対戦ができる。 キャラクターエディット マイキャラの名前・性別以外の外見の特徴、服装を変えられる。 ショップ ステージに落下しているゲームコインで買い物が可能。ひととおりの黒光りモードで1位をとるとすべての衣装が解放される。 コレクション いままでの戦績やそれに応じて解放された特典や、ガキの使いやあらへんで!!にまつわるちょっとした基本知識も閲覧できる。 問題点 原作企画との相性 原作の再現度の低さ 喋るキャラは藤原元マネージャーのみ。他のメンバーは鬼に捕まろうが特に目立つリアクションをしてくれない。 参加NPCもマイキャラとその他3人(ガキメンバーから抽選)なので、原作のような出演者同士の絡み合いや駆け引きはない。番組におけるこの企画の面白さのひとつでもある「鬼に捕まってからのリアクション芸」「参加者の人間性の汚さ」を垣間見られるわけでもない。 ガキ使ゲーでありながらガキメンバーを操作できない。必ずマイキャラを使う必要がある。ゲームの戦績に応じてダイナマイト四国といった少しマニアックなキャラを閲覧できるようにはなるが、彼らも例のごとく逃走キャラに参加させられない。 原作番組の後期にあった「松本が拉致されて残りのメンバーで救出に向かう」「山崎に目立つギミックがつけられる」といったイベントもない。 鬼ごっこという題材について 基本的にソースとなる鬼ごっこの規模自体が小さい。本作は特典要素こそ加えてはいるものの、やれることの大半は鬼から逃げ回って場合によっては目的の場所へ移動するぐらいなので、お世辞にも内容が濃いとは言えない。 元となった鬼ごっこは決して「参加者が」楽しいゲームではないため、原作で当たり前に起きていた鬼との接触が非常にうっとうしいものに。 この参加者にとっての理不尽さは、ゲームバランス調整で多少マイルドにしたり、逆に他のゲームの追随を許さない長所にできたかもしれないが、本作に至ってはそれに成功していない。 おそらくこの点が本作のもっとも苦痛な場面なのだが、システムでも説明したように鬼に捕まってからお仕置きをされてまともに走れるようになるまでがものすごく長い。しかもそのフラフラと歩いている間に鬼に出会っても原作番組のように空気を読んでスルーしてくれるなんて事はなく、当然のように捕まえに来る。マップも狭く逃げ場が少ないうえ、出現ボックスがある地点で鬼に捕まると、際限なく登場する鬼にハメられ続けるといった原作にはない事態まで発生する。 藤原元マネージャーのキャラについて ゲームの司会進行はダウンタウンの元マネージャーである藤原寛がボイス付きで行ってくれる。 メニューといったモード選択の際に、藤原がプレイヤーを闇雲にけなしてくるところも原作再現。褒めるときもあるにはあるのだが、本作のひどさ(後述)を目の当たりにした後にけなされると尚更神経を逆なでされる。ボイスといいシステムといいただでさえ殺風景な本作の中、せめてもの賑わいにはなっているかもしれないが、実際には「ノーボイスの中ただ1人うざったい」という印象になりがち。 ゲームそのものの問題点 ボリューム・シナリオ整合性 ゲームの根幹となる黒光りモードをひととおりクリアするのに要する時間はせいぜい2時間。いくらなんでも短すぎる。 ステージを進めても、結局地形とステージのダメージギミックが多少変化するだけなのでこの短いプレイ時間であってもマンネリを感じてしまう。 対戦モードは一応ある。一種の障害物競走のようなところもあるため『マリオカート』の感覚で遊べなくもないが…。 そもそもこのゲームを持っている人としか対戦ができない。本作を持っている友人を探すのは難しいはず。 ある意味ガキ使らしい不可解さと言えばそうかもしれないが、黒光りランドのボス、「ガースー大王」を倒せという共通の目標を持っておきながら、マイキャラとNPCの競争が常に行われているのもおかしい。 ガースー大王の討伐までの流れも、ガースー大王の体力(非表示)が尽きるまで苦手な「水色のもの」をひたすら持ち上げて彼のところまで運び投げつけ続ける。それだけ。 大王は火炎放射や落石で攻撃してくることはあるが、食らったところで大してペナルティがあるわけでもなく…。 不親切・邪魔なギミック マップで拾えるアイテム、鬼の罰ゲームの効果、マップにあるギミックに関しては説明なし。特に複雑なルールこそないため早めに覚えてしまうことは可能だが、不親切と言わざるを得ない。 鬼の位置は常に下のマップから確認できるのに、鬼の登場ポイントや更衣ボックスといった攻略に重要な場所は表示されない。 目標物のある方角はキャラの足元にある緑色の矢印が教えてくれるのだが、あくまで「方角」であり道のりがわかるわけではない。矢印通りに行動して行き止まりに嵌ってしまうことも。 マップの表示も見にくい事が原因のひとつでもあるのだが、通れそうで通れないところがわりと多い。 第二ステージであるピカデリーのチャレンジでは、マップの端に別のフロアへと移動するワープパッドがあるのだが、当然これも説明なし。レースの際に当たり前のように使うことになるので、他のNPCの行動を見よう見まねで覚えでもしない限りここでまず最初につまずく。 鬼に追われた時に専用のBGMはかかり画面が赤い点滅で曇るのだが、鬼を撒いてもこれが解除されないことが多々あるので、このBGMが鬼の感知に役立たないだけでなく画面が見にくくなるという被害も。 アイテムの仕様 大きな問題点とは言い難いが、なぜか前方に火の玉を飛ばすものや、虫眼鏡でステージマップを拡大させてかえって見にくくしてしまう物、他メンバーのアイテム没収といった、あまり役に立たないアイテムもある。 使用制限をつけたかったのか、ダメージを受けた後は更衣室に入って服を着なおさないとアイテムが使えない。しかしこの調整のため、鬼に捕まらない人ほど有利になってしまうという偏った展開に。上記のように、アイテムが必ずしも強くはない事は幸いだが。 動作の重さ ステージを選択した時の読み込みに20秒ほどとかなりロード時間を要する。 まるで電波の悪いところで通信対戦しているかのような処理落ちラグが一人プレイでも頻繁に発生する。ロード画面ですらこの処理落ちラグが発生する。 キャラカスタマイズ時、パーツを変えるたびになぜか2秒くらいのフリーズが入る。ガースーコインでの買い物時も同様にフリーズが発生する。 カメラが周囲の障害物に非常に弱く、「カメラが存在するであろう空間」を障害物に重ねてしまうとカメラが真上にはじかれてしまい、キャラを至近距離から見下ろすような視点になってしまい操作が非常に困難。第4,5ステージは狭いところが多いため、下手に探索すると鬼にも襲われやすくなり不利。 各種の調整不足がもたらすいびつな難易度 ゲーム攻略のために求められるアクションが、あまりにも身も蓋もなさすぎる。 上での繰り返しになるが、黒鬼は黒いボックスの近くにいると問答無用で湧いてくる。危険地帯であることには変わりないが、うっかりここでお仕置きを受けて足止めを受けようものなら、際限なく涌く黒鬼に半永久的にシバかれ続けることに。ゲーム攻略の上で特に必要がないのであれば、黒いボックスには絶対に近づいてはいけない。 ヘイポーチャレンジのようなステージにワープパッドがある場合は、それを使うだけで鬼を撒ける。 NPCのAIは率直に言ってしまうとバカ。 ライバルとなるガキメンバーは、開始時こそ目標物に向かって最善ルートを選んでせっせと行動するのだが、一度妨害されるとその後はしばらく棒立ちして何もしなくなることが多い。お宝さがしで拾い集めてきたお宝を妨害によって手落とされても、何食わぬ顔でその辺をウロウロし続けるか別の宝をぼちぼち探しに行く。また、罰ゲームを受けてパンツ一丁になっても滅多に更衣室に入らない。というかそもそもアイテムをほぼ使わない。 あらゆる場所でそうなるわけではないが、鬼が壁越しのキャラを追いかける際に回り込むという発想に至らず、ずっと壁にめり込むように走り続ける例もある。 逆に、鬼の知覚設定や判定がバラバラ(足の速さにも差があるので単なる個性分けかもしれないが)で、かなり遠くにいる鬼が背後や壁の死角にいるマイキャラを感知してベストなルートを選びながら追跡してくることもあれば、比較的近い所を横から通り過ぎても反応しないこともあるので対処が難しい。 対戦プレイ時のゲームバランス 得点計算とペナルティを受ける受けないの条件が非常に極端なので、別のプレイヤーとの対専用ツールとして機能していない。 明確に順位をつける2,3のゲームは、1位 20点 2 10点 3位 5点 4位 1点。具体的な条件はよくわからないが、前の順位との差が開きすぎていると点数が一切入らない模様。一位には必ず高得点が入るため一人がぶっちぎってしまうことはザラ。 「サバイバル」は当然鬼に捕まらなければいいので、鬼の出現地点の黒いボックスから遠い所まで避難して、下画面を見ながら鬼と一定距離を保ちつつ待機すればよい。というかむやみに動くと逆に危ない。それでも見つかってしまうことはあるが、正直そこまでくるとただの運ゲーであり、パーティーゲーとしての機能を保持するのも難しい。 「レース」も何かしらのアイテムで妨害しさえすれば簡単に独走でき、「秘宝集め」も同じような理屈で、わざわざ探索して襲われるよりも他のライバルが遠くからせっせと持ってくるお宝を奪い取って自分の点数にしてしまった方がはるかに効率がよい。 以上2項目をふまえると、理不尽な難易度をもたらす要素もあるが、それのかいくぐり方さえ覚えてしまえば途端に歯ごたえのないゲームへと早変わりする。難易度調整もできない。 時代錯誤感、3DSにそぐわない内容 マップがただでさえ見にくくカメラアングルで遠くを見回すこともできないので、スライドタッチしてマップだけでも周囲を確認できる機能があってもよかったと感じる。 全編3D非対応。またこのようなUIまわりの壊滅的なところは一昔のゲームでもなかなかお目にかかれない。 評価点 音響演出 番組に使われていたBGMではないが、通常の探索時にはなかなかセンスのいい音楽が流れる。また使いまわしは無くチャレンジごとに違う曲が用意されている。 キャラの名前の頭文字に合わせて、鬼に捕まった時の藤原元マネージャーの肉声による「○○、OUT!!」の掛け声の呼び方がかなり細かく変わる。「まつもと」や「はまだ」等のレギュラーは勿論、他の一般的な名字はおろか、「みやさこ」等の他の吉本芸人の音声まで多数が収録されている。ここの多様さは昨今のゲームの中でも素直に褒めるべき点。 オリジナリティ ゲームをする上ではかえって邪魔な存在にもなりがちだが、ダメージを受けると服が脱げて服を着なおすまではアイテムが使えないという縛りが入っていることで、ゲームの単調性が少しは薄れていると思われる。 マイキャラを女キャラにすることも可能、ナースや学生服といったコスプレにも対応している。 4人集まってパーティーゲームとして遊べば、敵NPCの珍妙なAIもあいまっていつもとは調子の違う不思議なバトルができる、かもしれない。人が集まればの話だが。 ただし、他のキャラに持ち上げられると投げられるまでレバガチャやボタン連打をしようが脱出できないため、実際にやるとそれはそれで問題が発生しそうである。 5つあるチャレンジ(ヘイポー、梅田、おばちゃん、新おにぃ、板尾)が冠するロゴは、きちんと5種類分用意されている。だからどうしたと言われたらおしまいだが。 局所的な再現度 登場人物のガキメンバーやゲストキャラはしゃべらないとはいえ、Miiとはまた違った方法でキャラ再現がされているが、なかなか本人と似ている。 レギュラーメンバー5人や藤原マネージャーは勿論、「ガースー」「ヘイポー」と言ったスタッフ、「板尾創路」や「蝶野正洋」、「江頭2 50」などのゲストキャラ、「ピカデリー梅田」や「新おにぃ」、「腰ふりおばちゃん」、「今夜が山田」などのマニアックなものまで、ガキ使の名物キャラはほとんどが出演している。 コレクションにて鬼ごっこには登場しないガキ名物も本作に少々存在する。集めるのは少し骨が折れるが、特典要素に関してはクオリティはさておき数はそれなりに豊富。 鬼に見つかると警告のBGMに変化するが、「有用なアイテムを持っていない限りは発見された時点で手遅れ」という点に関しては、ある意味原作をよく再現している。 総評 内容の酷さに一通り慣れることができれば暇つぶし程度には遊べるだろう。また、コレクション要素などでファンアイテムとしての最低限の奥深さこそ備えてはいる。 しかし、ガキ使への愛が詰まっているとはお世辞にも言い難く、アクションゲームとして基本的な部分に致命的な粗まで存在し、単体のアクションゲーとしての体をなしてすらいない。 番組の企画を無理やりゲームに落とし込んだゆえに、システムや原作の良さが共倒れしたという事はよくある話だが、本作はその典型例に収まらず時代錯誤すら思わせる香ばしいクオリティのクソゲーとなってしまった。製作陣が無謀な開発予算とスケジュールのもと本作を作ったのでは、とどうしても勘ぐってしまう。 余談 2015年度クソゲーオブザイヤー携帯機部門でノミネートされるも次点止まりとなった。 本作の開発元とされていた「プラネットG」は企画とプロデュースのみを担当し、実開発は「リリースユニバーサルネットワーク」と「スタジオ最前線」に丸投げしていた事が後に判明した。 発売元の「アルケミスト」はかつてアダルトゲームのコンシューマ機向け移植で名を馳せたメーカーだが、本作発売から4ヵ月後にアルケミストは倒産し、2017年に完全消滅した。 これにより2016年4月11日をもってダウンロード版の配信終了。同社から発売された他の3DS用ソフトも全て配信終了した。本社側としては何とも後味の悪い結末となってしまった……
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リーズのアトリエ ~オルドールの錬金術士~ 【りーずのあとりえ おるどーるのれんきんじゅつし】 ジャンル 新感覚RPG 対応機種 ニンテンドーDS メディア DSカード 発売元 ガスト 開発元 ハイド 発売日 2007年4月19日 定価 通常版 5,040円 プレミアムボックス 7,140円 プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ポイント 2007年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点 デバッグを放棄したんじゃないかと思うほどバグだらけ(1年後にやっと交換、現在は交換を打ち切っている)それ以外もクソ要素多し クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 アトリエシリーズ 概要 問題点 評価点 総評 その後の展開 余談 発売後の公式対応 概要 ガストを代表するRPG『アトリエシリーズ』の一作。 シリーズのニンテンドーDS参入作で、移植や外伝ではない完全な新規シリーズ作品としては携帯機初であった。 それまでのシリーズ作品と違って冒険的な要素が強い『イリスシリーズ』(『イリスのアトリエ』シリーズ)が続いていたところに対し、今作では初代『マリーのアトリエ』などのような錬金術中心のシミュレーションに回帰した。 問題点 フリーズ問題 確定状況でのフリーズの他、いきなりフリーズする事もあり、「 フリーズのアトリエ 」と揶揄された。以下、フリーズ状況。 採取先でイベント発生後に「リターンゲート」(日数をかけずに町へ戻るアイテム)を使用すると確定でフリーズする。 そのため、原因に気づかないと、日数や時間をかけて採取に行く度にフリーズに遭遇することになる。 逆に、コレが一番のフリーズ原因であるため、「リターンゲート」を使用しなければそこまでフリーズが頻発する事は無い。あくまで「頻発しない」だけなので、こまめなセーブは必須だが。 戦闘終了時にタイミングよくBボタンを押す(連打でも可)と高確率でフリーズする。 下記記載通り、戦闘自体が不便なため、ようやく終わったと苛立って連打をすると発生する。そのため、火に油を注ぐ事に。 これら以外でも主に戦闘中にフリーズが発生しやすい。 こまめにセーブする事で回避したい所だが、工房(最初の町)でしかセーブ出来ない。 インターフェースが不便 ボタンでの操作方法が独特な上に説明書にも詳しく載っていないため、下手をすると買い物方法に戸惑う。 後日公式サイトのFAQに操作方法が掲載される事に。 修正版で遊びづらいなりに改善されたが、説明書は改善されなかったので、旧操作方法を知っていた人たちは再度混乱。こちらの操作方法は公式サイトにも載らなかった。 採取問題 入手アイテムが増えてくる後半になると、基本アイテムほど採取率が低くなる。 そのため、後半必要な上級アイテム用の素材に困る事はないが、序盤から終盤まで大量に必須な「湖の水」等の基本アイテムが全然採取できない。 結果、「初級アイテムが作れない」→「初級アイテムを使う上級アイテムが作れない」という最悪のパターンに。 こういった場合に役立つのがシリーズ恒例の妖精さんなのだが、本作に妖精採取システムはない。 ちなみに採取はマップ上で採取ポイントをクリックする事で行うのだが、「湖の水」が取れるマップには綺麗な湖が広がっており、「いいから目の前の水を汲め」と数多くのプレイヤーを悩ませた。 戦闘面 いつもと違い雇用費はかからないにも拘らず、仲間キャラに性能差がありすぎる。 パッケージにメインで描かれた3人(主人公含む)は強さ控えめで、以下のキャラを雇うのがド安定。 最初から高レベルで縦一列攻撃を持っているマリウス。後述の敵ルーチンの結果、3体以下の敵なら2ターン目に瞬殺。 後半の魔法攻撃に耐性のある敵を除けば、ほぼ一人で片付けてくれるヒルダ。ただし、強力な敵が出ると勝手に逃げる事がある。 必ず逃げられる「とんずら」を使えるエイリー。戦闘なしで遠征や採取する時には非常に助かる。ヒルダが逃げた際の逃げ手段にも便利。 コマンド入力をキャンセルできない。 ドラクエのようなターン制なのだが、コマンドを入力するとパーティ全員の入力がまだでもキャンセルできない。 敵ルーチンの異様な頭の悪さ。 どんな状況でも主人公の前に整列。 敵のターンがものすごくもっさりとしていて、やたら時間が掛かる上、スキップ等の高速化も出来ない。イライラして連打→フリーズの原因に。 ED及び引継ぎの問題 マルチエンディングを採用しているにも拘らず、クリアと同時に強制セーブが行われる。 エンド条件を満たしていないと気づいても最初からやり直し。 セーブは3つ用意されているが、セーブデータのコピーやゲーム中の別枠へのセーブが不可能。 はっきり言ってセーブ枠が分かれている利点がほぼなく、不便な事ばかり。利点といえば、複数人で別セーブを使っている時に間違って他人のデータを消す心配がないくらい。 下記の真EDの問題にも関わるが、好きなイベント前やED前のデータを保持しておく事が出来ない。 借金返済エンドが用意されているが、あまりにも条件が厳しすぎる 国の借金である「8億」をゲーム中の金額で集める必要があるのだが、普通に高額で売却できる物を多数作っても焼け石に水。クリア後にはデータを引き継いだプレイが可能で、その際にはお金も引き継げるのでいつかは達成可能ではあるが、とんでもなくプレイ時間がかかる。 最終目標アイテムの「アルカナス」が2億で売却可能なのだが、作成と同時にエンディング条件を満たし回収されてしまう。しかし、ゲーム期限ギリギリに完成させる事で回収イベントを発生させない事が可能。また、錬金時にたまに発生するミニゲームを成功させれば2つ作成できる。 この実質裏技と言えるような方法でようやくエンディングを見るのが現実的になるが、そういった方法を使っても最低3周は必要。 また、正規の方法であればとんでもなく時間がかかってようやく視聴可能なEDだが、借金返済EDを見ると、所持金が引き継がれない上、やはり勝手にセーブされるため、EDの途中で電源を切らない限り、このEDをもう一度見るにはまた最低3周が必要。 流石に修正版ではこの点も改められ、強制初期化は無くなっている。 しかも、このEDでようやく借金を返済したはずなのに、何故か他のEDと共通で「結局、目標は達成できなかった」と言い出す。お前は何を言っているんだ。 ゲーム自体が起動できなくなるバグの存在 アトリエシリーズ恒例でこのゲームもプレイ期限が存在するが、超長期の調合を行って最終年の翌年以降に調合が終了するようにすると終了判定が行われない。 4月末~12月末までの長い期間に判定が存在するため、通常プレイではまず発生しないが、狙って行う事はたやすい。 そのままプレイし続けるとフリーズする上、この状態でセーブを行うとゲーム自体が起動しなくなり、タイトル画面からゲームを始めると同時にタイトル画面へ戻されてしまう。 「はじめから」だろうと「つづきから」だろうとプレイ不可能。初期化も不可能で、このバグを発生させるとプレイ不可能なソフトが出来上がる。 その他 年をまたぐ際に依頼が強制的に期限切れとなる。 HP増加アイテム使用後には最高で999にしかならない。 そのため、1000を超えたHPのキャラに対して使用するとHPが減少する。 基本アイテムである「中和剤1」と「中和剤2」を2周目に作成できなくなる。 自動で入手する「錬金術こうざ1」をわざわざ売りに出し、即キャンセルして再入手する事で一応回避は可能。 評価点 原点回帰 『マリーのアトリエ』のような錬金術による調合をメインとしたゲームへ戻ってきてくれた事自体は旧作ファンから喜ばれた。 携帯機でのんびりやるのにも向いているので、この方向転換自体は評価された。 メインである調合部分はシリーズ恒例の出来 上記の通り素材採取の面で問題はあるが、各地を旅して素材を集め、調合で新たなアイテムを作り出し、図鑑を埋めていく。こうしたシリーズの基礎部分の良さは引き継いでいる。 キャラクター 王道キャラから突飛なキャラまで、コミカルかつ魅力的に描かれている。 主人公は破産した国の元お姫様であり、国を復興させるためにお金を稼ぐのが目的という事からお金にがめついキャラだが、それでいてサバサバした性格等、親しみやすいキャラになっている。 仲間となるNPCは「主人公と正反対の、玉の輿狙いのイケイケギャル系親友」「主人公&ギャル系親友に振り回される少年」「アトリエシリーズおなじみの強くてクールな騎士団長」「自分のことを“婚約者を亡くした悲劇の魔法少女”だと思い込んでいるオタク少女」などレパートリー豊か。 錬金術をメインにした王国内での交流等、キャラクター達の掛け合いによるシナリオの出来は悪くない。 野川さくらや水樹奈々、子安武人など有名な実力派声優を起用し、ほぼ戦闘ボイスのみではあるものの良い演技で印象付けている。 和狸ナオの描く可愛らしい絵柄もマッチしている。各キャラの設定に則った装飾品も描き込みが細かく、アトリエらしさを醸し出している。特に前述のオタク少女を「アトリエ世界観内のコスプレ→ファンタジー作中のファンタジー→女子高生風魔法少女」という意図的な違和感を表現したデザインは斬新でありながらアトリエ世界観を逸脱することのない塩梅であり、プレイヤーからの評価が高い。 BGMも作風に合っている。 公式サイトで聞けるメインテーマも良曲。 アトリエシリーズ恒例の複数のエンディング 簡易的な物ながら初代である『マリーのアトリエ』と同程度のエンディング数があり、錬金術を極めて目標アイテムを作る王道のエンディング、冒険者として成功するエンディング、錬金術とは全く別の料理人になるエンディング等、そう多くはないが色々なエンディングが用意されている。 難条件の特殊エンドとして直接借金を返済するエンドも用意されているのもそれ自体は嬉しい所。前述の通り、このエンディングには色々問題があるが。 総評 久しぶりに錬金術主体のアトリエシリーズが、携帯して気軽に出来る携帯機に新作として出る、という事もあって何気に発売前の期待値は結構高かったのだが、出来上がったゲームはバグやフリーズ、ゲームバランスの調整などシステム面で最悪の出来であった。 キャラや絵柄、ゲームの雰囲気など、悪くない要素も多いのだが、問題が多すぎてこれらを楽しむよりも、システムの不具合とゲームバランス調整の悪さが全てを台無しにしてしまっている。 加えて発売後の対応も悪かった事もあって、悪い意味で有名な作品になってしまった。 世界観や雰囲気に関しては次回作『アニーのアトリエ』にも引き継がれ、そちらは開発が変更された事もあってまずまずの出来となっている。 その後の展開 DSのアトリエシリーズはこの後も2作作られた。 イラストは『リーズのアトリエ』『アニーのアトリエ』『リーナのアトリエ』共に和狸ナオが描いている。 次回作の『アニー』ではリーズも成長した姿で特別出演をしており、戦闘メンバーにも参加可能など、『エリーのアトリエ』でのマリーのような扱いとなっている。 『アニー』以降は開発が株式会社アメージングへと変更となり、本作のような問題は発生していない。 ちなみにこの点でもって下請けが変更となって改善されたと言われる事も多いが、本作の「開発補佐」である株式会社HYDEとどのような協力体制であったのか実情が不明なため、ガスト側の体制を一新した可能性もある。(そもそもガストは内製作品でも『ロロナのアトリエ』や『シェルノサージュ』を代表としてバグまみれの作品をいくつも出している。) 本作の評価のせいか、はたまた「DSA1~3」のナンバリング通り外注作品であるからかは定かでないが、アトリエシリーズ20周年記念作『ネルケと伝説の錬金術士たち』では、DSの3作品のキャラは未登場となっていた。 その後有料DLCの追加ストーリーで主人公達3名が追加されている。 余談 本作は発売が数ヶ月延期され、実際に発売されると、事前に情報誌で宣伝されていた要素が多数削られ別物になっていた。 例えば、画面中をタッチしてアイテムを集られる仕様だったものが、ただ画面を十字ボタン左右で移動するだけで自動でアイテムを入手できるよう変更されている。 他にも変更点は多いが、雑誌などで前情報を見ていると完全に別物と言っても過言ではない。 発売後の公式対応 ゲームが完全に起動できなくなるバグについては、わざと発生させない限り滅多に起きないとはいえ、レアケースと言い切り多数のバグが存在しながらもしばらく放置された状態が続いた。 発売から1年後にやっと無償での交換が行われたが、今でもバグ版が出回っているにもかかわらず、2011年2月末日に交換受付は終了した。 ただし、新品での購入に関しては修正版で販売されており、中古でもパッケージで確認できる(赤い背景が白くなっている)ため、修正版が手に入らないといった事態にはなっていない。 現在は、公式サイトに不具合の一覧と対応方法が記載されている。
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PANDORA MAX SERIES Vol.2 死者の呼ぶ館 【ぱんどらまっくすしりーずぼりゅーむつー ししゃのよぶやかた】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 プレイステーション 発売元 パンドラボックス 発売日 2000年1月20日 定価 1,980円 配信 ゲームアーカイブス2009年8月26日/600円 判定 クソゲー ポイント エンディング水増しメッセージスキップ無しバグあり必要性疑問視な百物語 PANDORA MAXシリーズリンク 概要 特徴 ストーリー 問題点 評価点 総評 余談 概要 「1980円の超大作」がキャッチコピーであった「PANDORA MAXシリーズ」の第2作。 第1作の『ドラゴンナイツグロリアス』とは違い、ジャンルはホラーアドベンチャーだが、同時期に作られていたためか、欠点もほぼ同じである。 特徴 シナリオは当時パンドラボックスの社員であり、過去には『ブレイブサーガ』などを手掛けた大池叙子が執筆。 『学校であった怖い話』のスタッフの作品であることを宣伝文句にしていたが、発売後に「シナリオは別の人です」と発表された。 前作や『学校であった怖い話』を手掛けていた飯島健男(現・多紀哉)は一部の隠しシナリオのみを執筆している。 前作同様、一定時間選ばないでおくと別の展開になる選択肢が登場する。 「百物語」 おまけメニューにあるもので、100本の短編怪談が収録されていて、ランダムで再生される。全話読むと任意で再生できるようになる。 達成度はエンディングナンバーからパーセンテージ表示に変更。 ストーリー 不動産会社で働く貴方は別荘を売り込むためにツアー客を連れて人里離れた森へ入り込んだ。 しかしいつまでたってもそれと思える建物は見つからず、やがて洋館にたどり着く。 陽も暮れてきたため一行はその館に一晩だけ世話になる…つもりだった。それが恐怖の始まり。 不気味な館と住人。何かを隠した客。失踪、死体、狂気…森からは出られず怪異が続く。 はたして貴方は謎を解き生き延びることができるだろうか。 問題点 システム面 初期出荷のソフトに不具合がある。 特定の結末を見ようとするとセーブ画面に行く途中で画面がフリーズするため、その結末を迎えたことはセーブできない。 UIの問題 エンディングは複数あるが、進行データとシステムデータは共用でファイルは一つだけ。 ADVでよく行われる「分岐点でセーブし、エンディング後ロードして別ルートへ」という手法が使えない。エンディングは隠し含めて28種類もあるのに。 途中セーブはあるが、これも最初に作ったセーブデータを上書きするのみ。終盤の分岐を埋めるためだけに、シナリオの最初から再プレイすることになる。 その上メッセージスキップも早送りも無い。○ボタン連打で一応疑似的な高速化は可能だが…。 とは言え隠しシナリオを見るのに必要な条件は「達成率100%にすること」ではなく「全ての結末を見ること」ではある。 シナリオ面 終盤を除きほぼ一本道 ラストに影響する選択肢もなくはないが、冒頭の公園のシーンと、夕食前の行動以外は、基本的にどの選択肢を選んでも同じ文章・展開になる。 恐怖の表現は、文章ではなくグラフィックでワッと脅かすものばかり。 本当に怖いのはある人物のアップが突然表示される時くらいである。 「百物語」が露骨な水増し話かベタ怪談ばかり。 最も短いエピソードはなんと2行しかない。文章を読んでいる時間よりもオープニングのエフェクトを見ている時間の方が長い。 何しろこのシナリオ、パンドラボックス全社員が一人につき四話前後持ち回りで書いたものだからである。当然、その方面が不得手なスタッフも居る訳で、そう言う人にも無理矢理書かせたのだからこうなるのも当然である。 ゲーム内のミニゲームも、修学旅行の夜の如く唐突に始まってシナリオには影響しない。 内容は4種類あるが、どれもわざわざゲーム内で時間をかけるほどのものではない。UNOや神経衰弱等ルールが完成しているものなので、遊べなくはないが。 評価点 メインのシナリオそのものは一応評価されている。 また、コンバートすることにより発生するシナリオは、『学怖』を髣髴とさせるいい意味でぞっとさせる作品となっている(*1)。 前作では全く無かったムービーやキャラボイスも僅かながら導入されている。 ムービー自体はあまり無いが、スキップも可能。 総評 評価点にあるように、メインシナリオの出来は悪くはない。 音楽や人物のグラフィックも一定以上の水準ではあり、「ホラーアドベンチャー」としての雰囲気は、十分に値段以上のものを味わえると言えるだろう。 しかしながら、ユーザーインターフェースの劣悪さに終始ウンザリさせられてしまう。マルチエンディングを採用しておきながらスキップ機能すらないというのは、同時期の他作品と比較してもお粗末に過ぎる。 展開が大きく変わるポイントが終盤に集中しているのも相まって、再プレイの意欲が削ぎ取られてしまう。 シナリオの評価と格別な定価の安さを考慮しても、アドベンチャーゲームとしては駄作と言わざるを得ない。 余談 PS2ではまともにプレイできない。ミニゲーム、移動、セーブ画面とあらゆるところでフリーズする。 ソフトを会社に送れば修正版に替えてもらえ、また後に修正版も出たが本数は少なく中古市場では滅多に見かけない。 ソニーのサイトにもばっちりリスト入りしている。 同じPANDORA MAXシリーズの後発作品でこの不具合に関して呼びかけがあり、セーブデータの修正機能を持っていたりもする。 ゲームアーカイブスで配信されており、勿論こちらは修正版なので、興味がある方はこちらでプレイしてみるとよろしいかと。 一般的なADVのように主人公はゲーム中で立ち絵が無く、ある場面で目が隠れた姿が映る程度である。その為、本作中で素顔を直に見る機会はないが、『ONI零 ~復活~』では彼の前世が顔出しで登場する。 パンドラMAXシリーズの中ではあまり売れなかった方だが、『Catch! ~気持ちセンセーション~』や『ごちゃちる』よりは売れていた模様。 ちなみにシリーズ内で売り上げが高かったのは残る『ドラグロ』『ラビッシュブレイズン』『ONI零』の三作。やはりRPGの方が人気であった。
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闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光 【とうじんまきょうでん へらくれすのえいこう】 ジャンル RPG 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 1Mbit+64kRAMROMカートリッジ 発売元 データイースト 発売日 1987年6月12日 定価 5,300円(税別) プレイ人数 1人 配信 プロジェクトEGG2020年10月20日/500円(税別) 判定 バカゲー ポイント 意欲的な要素満載謎解きと情報収集が熱いゲームバランスには大きな難があるやっぱりデコゲー ヘラクレスの栄光シリーズ 概要 バカゲー(というよりデコゲー)要素 評価点 問題点 総評 余談 概要 『ドラゴンクエストII』の大ヒットで、ファミコンにRPGブームが到来した頃。データイーストもこのRPGブームに乗って本作を発表した。 公表された開発中の画面は、いかにも『ドラクエ』のパチモンを思わせていた。だが、発売された実際の製品は、意欲的なシステムを垣間見せながらもやっぱりデコゲーだった。 一般的なRPG同様、エンカウントする敵を倒し、経験値や金を稼ぎ、武器・防具を購入していくシステム。パスワードコンティニュー方式を採用している。 「闘人魔境伝~」というタイトルからして仰々しく、人によってはパッと見RPGと想像出来るかどうか怪しい。 しかしストーリーはしっかりしており、ギリシャ神話に出てくるヘラクレスの12功業をモチーフにして、諸悪の根源ハデスを倒しビーナスを救い出すのが目的。 開発中の画面と異なり、マップと街が一体化している。 マルチウィンドウ式ではなく、コマンド選択には画面下半分をまるまる使い、ステータス表示や会話などのメッセージ表示とも兼用。 その他随所で『ドラクエ』との類似点は残っているが、両手と片手の武器の違い、武器や防具の耐久力、武器ごとで得意不得意が異なる敵の属性など、オリジナリティある特徴もみられる。 両手持ちの武器は「片手持ち武器よりも攻撃力が高い」か「特定のタイプの敵に対し特攻効果がある」かのどちらかである。例えば、極めて素早いボスに対しては両手持ち武器「ぎんのゆみ」以外ではほとんどダメージを与えられないなど。 一方で、片手持ち武器とは異なり「盾が使えない」ためにその分の守備力が引かれ、受けるダメージ量が増える欠点がある。 バカゲー(というよりデコゲー)要素 そもそも「ヘラクレス(Hēraklēs)」とは「ヘラの栄光」という意味の名前である(女神ヘラからの難業に挑む者(*1)であった為。それ以前の幼名はアルケイデス)。なので本作の題名は名前の意味だけ取れば「ヘラの栄光の栄光」という「頭痛が痛い」みたいな二重表現になっている。一応「ヘラクレス」は固有名詞であるので誤りというわけではない。 おまけとして「ビーナス」はローマ神話の美の女神であり(ただしローマ神話はギリシャ神話のコピペな部分も多い)、ギリシャ神話の美の女神は「アフロディーテ」である(*2)。なお逆なら、ヘラクレスはハーキュリーズ(*3)、ハデスはプルートになる。 尤もデコに限らず欧米人名の由来を知らない日本人にはよくある事なので仕方がない(逆に「外国人の考えた変な日本人名」もよくある話である)。 そもそもギリシャ神話に題材を取るなら、ハデスが悪役である時点で色々とおかしいのだが(*4)……なお、同じくハデスを悪役にしてギリシャ神話ファンから非難されたディズニーの『ヘラクレス』よりも本作の方がだいぶ早い。 金の単位はGだが、ゴールドではなくギルバート。 2も同様。3以降はEC(欧州連合)加盟前までギリシャの通貨として現実に用いられていたD(ドラクマ)となった。 体力を回復する食べ物としてとんかつ・はくさい・さんまが普通に八百屋や肉屋や魚屋で売っている。 とんかつはいうまでもないが、白菜と秋刀魚も古代地中海沿岸地域にはない。なぜ無難に「ぶたにく」「レタス」「オリーブ」「サバ」など、ギリシャに関係がありそうなものにしなかったのか…。 値段に見合った効果がないことやアイテム所持数制限の関係から、基本的には実用性のない遊びアイテム。ただし「にんじん」だけはイベントで役立つ場面がある。 なお、続編からは「にんじん」はマヒ状態回復など実戦的な効果の回復アイテムに格上げされている。 武器や防具の耐久力の概念があるので、耐久力がゼロになって消失する前に鍛冶屋のヘパイトスに直してもらう必要がある。これ自体は別段おかしくもないが… このヘパイトスは5,000ギルバートで雇うことができるが、何故か「かじや」というアイテム扱いになる(*5)。所持中は戦闘後に自動で修理してくれる。 さらにこの「かじや」は普通に店で売り飛ばせる。もしかして奴隷みたいな扱いなのだろうか… ところでこのゲームではヘパイトスが町の鍛冶屋のように扱われているが、本来は鍛冶神である。 なお、本シリーズでは本作以降「ヘラクレスの顔なじみの鍛冶屋が後に神になった」という設定ではあるが(*6)、鍛冶神として扱われるようになった。 戦闘では『ドラクエ』と違いヘラクレスはよくしゃべる。「ゆくぞ!」「かくごしろ!」「どうだ!」(*7) さらに、ボスキャラとは戦闘中に「はなす」コマンドで会話が可能。「こころみのまど」を使えばボスの心の中も覗けてしまう(大半のボスは「はなす」コマンドとは別のコメントを持つ)。ゲーム進行上重要なヒントが得られる場合もあるので試してみる価値はある。 中盤のボス「ネイアス」が、「はなす」コマンドで話を聞こうが「こころみのまど」で心の中を覗こうが、戦闘中にも拘らず本心から常に友好的な描写になってしまっている点はご愛嬌。 主人公を「にゃんにゃん」で誘惑するトルバとの会話は必見。 戦闘に敗北した際のメッセージは壮絶。 + 死亡時のメッセージ おびただしい りゅうけつ! ヘラクレスはそのばに くずれおちたやがて しずかに めを とじてえいえんの ねむりに ついた 普通のゲームは「死んでしまった」「気を失った」という簡単な文で済まされるところだが、妙にリアルで生々しい。また演出も相まって不気味。 尤も、普通に所持ギルバートの半分で復活するので拍子抜けしてしまうが。 ちなみに炎に焼かれても「おびただしい流血」で死ぬ。砂漠で死んだときは「体力の限界」と表示される。 ヘラクレスは一切魔法を覚えない。 原作に当たるギリシャ神話もこうなので仕方ないのかもしれないが…その代わり武器を使い分ける必要はある。 自身の覚える魔法はないが魔法系アイテムはあり、それを使う際にはHPが消費される。 移動中専用でも戦闘用でも、アイテム使用でHPが引かれて0になっても死ぬことはなく、0のままその後も使用を続けられる。その状態で戦闘に入って1発でも食らうか、砂漠や溶岩地帯を歩けば死ぬ。 ちなみに敵はHPを回復する「ヒール」、ダメージとなる「ブレス」、眠りに誘う「スリープ」、武器・防具の耐久力を下げる「ラスト」の魔法を使う。 なお、本作以降もヘラクレスは魔法を使えなかったが、最新作である『ヘラクレスの栄光 ~魂の証明~』では使用可能になっている。 アテネの街のバーで10G払うと、マスターの女性が次のレベルUPまで必要な経験値を教えてくれるが、主人公を「ヘラちゃん」と呼ぶなど性格が軽い。 先述のことを考えると女神ヘラの名を呼んでいることになるが、これもまた外国語に疎い日本人には良くある話である。 ちなみに敵を倒した際に表示されるのは入手Gのみで、入手経験値は何故か表示されない。 住民が一部おかしい。 店や宿の建物に入ると店主のグラフィックが表示されるが、何故か男も女も半笑いで右手を画面に向かって指差しているという謎の汎用グラ。建物に居るポセイドンやヘラといった神々も同様の使いまわしグラフィックで、しかも何だか顔色が悪い。 カルノフの妹を自称するキャラがいる。 ちなみにカルノフ本人らしきキャラも出てくる。情報によるとヘベの城の近くでわめいているのがカルノフらしい。 「ぷっつん!」とだけ喋る住民がいる。 「ドクターなかもと」「かにちゃん」など変な名前の住人がいる。 モンスターはボスなどを除けば、「プノトン」「きこうへい」「コジマン」など、ギリシャ神話との関連性がなさそうなものばかり。 特に「サタンきこうへい」という甲冑型のザコ敵にいたっては、「サタン」はギリシャ神話とは別の宗教や神話の登場人物である。 救出対象であるビーナスもローマ神話の女神。ギリシャ神話ならアフロディテ。 さらに文字数の関係もあるのだろうが「 レッドがいこつ 」「 りょくひる 」(緑色のヒル)などという独特のネーミングセンスも本作を彩る。 「黄金の鹿」が誤植で「おおごんのしか」になっている(*8)。 レベル1の時点で既に逃げ出す敵がいる。 パスワード(蘇生の呪文)でコンティニューすると、全てのボスと宝箱の中身も復活する。 ただし、これはDQ2でも基本は同じで宝箱は復活するし、固定敵も一部を例外として復活する(その例外も一か所以外は撃破後に手に入るアイテムがフラグになっている)。 エラーチェックが甘いのか、パスワードを適当に入力してもゲームが再開出来てしまうことがよくある。 本作のようにマップが東西南北でループしないRPGは、世界の端が進入不可能な地形(海や山など)で埋められていることが多いが、本作では街の外壁などで見られる水色の壁で埋められている。 しかもマップの北端を見る限り「壁の側面」にあたる部分が見当たらないので実は壁ですらない。この水色のものは一体何なのか? ゾラ火山のイベントのエフェクトが掛かるタイミングがおかしく、会話中の女神が突然火山を爆発させたようにしか見えない。 とある神殿は見た目がギリシャ風で、内部にスフィンクス像やモアイ像が並んでいる。 天界にはペガサスに乗って行くことになるが、その時のデモは明らかにペガサス単体で飛んでいる。 評価点 一部のモンスターに設定された武器の相性の概念。物理攻撃においても明確な相性の概念を持ち出したRPGとしてはかなり早期の例である。 戦闘中に「ぶき」コマンドで1ターン消費して装備変更が可能。これによって「相性悪い武器を持った状況で戦闘に入った」場合でも気兼ねなく装備を変えられる。 盾を持てないリスクはあるが攻撃力は高い両手持ち武器の存在に加え、鍛冶屋を雇う前は武器の耐久力も重要な要素であり、複数の武器を切り替えて戦う戦略性がある。 最終盤になるまでは片手持ち武器は全体的に攻撃力が控えめなので、両手持ち武器と使い分けを行う価値はある。 ただ、間違えて「ぶき」コマンドを選択してもキャンセルできず、1ターンの消費もされる。 戦闘用のアイテムと相まって、『DQ1』のような一人旅、かつ魔法を使えない主人公でありながら、単調にしすぎない工夫が見られる。 街とフィールドの境がないシームレスマップ。国産の家庭用RPGでは後に『MOTHER』などに取り入れられるが、当時としては珍しかった。 一部の街道をNPCが歩いていたりして多少旅情を感じられないこともない…? アイテム「旅の翼」の効果である「訪れたことのある(*9)地名を選択してワープできる」という要素は、後に『ドラゴンクエストIII』など多くのRPGで採用されたことから、先駆的であったといえる。 ボスは単体で幾つかのグラフィックパターンを持っており、攻撃時や防御時に切り替わる(*10)。 ラスボスに至っては攻撃アニメーションまで用意されている。 ザコの色違いバージョンもパーツが細かく変えられており、また表示も左右反転させたりしていて、ただの色違いではなくなっているものが多い。このあたりは『ドラクエ』の良い所をきちんと真似た形になる。 BGMはなかなか聴き応えのある名曲が多い。 当時のRPGとしては珍しく、ラスボス戦のBGMとは別に通常ボス戦のBGMが用意されている。 問題点 戦闘面でのゲームバランスが劣悪。 エンカウント率がとても高い。 厳密には、このゲームのエンカウントは「256周期でオーバーフローしてリセットされる経過フレーム数のカウンタが、一定の範囲の値を取っているタイミングに十字キーのボタンを押している」ことでエンカウントする。そのため、移動中(十字キーを押しっぱなし)にすることで特定のタイミングで十字ボタンを押している状態となってしまい、エンカウントが多発することとなる。 + エンカウント検証動画 ちなみに戦闘における逃走判定もこのカウンタが一定の範囲の値を取っているタイミングでコマンドを入力すれば成功となる。BGMでタイミング(*11)を取って逃走を確定で成功させる手法が開発されたことにより、タイムアタックのクリアタイムが大幅に短縮された。 色違いの敵(=強化版)が全種類、1つの地域にまとめて出て来たりする。 特定の敵と相性の悪い武器ばかり持った状態でその敵が頻出する地域に入ると、逃げる以外に手が無くなる。 ゲーム開始直後はザコとの戦闘でも死にやすいのだが、それなりに高いレベルと装備を揃えるとラスボスからのダメージも1に押さえられ、苦戦もせずに倒せてしまう。クリア出来ないくらいの大ダメージを受けるよりは良いのだが。 ゲーム中最強の攻撃力を持つ敵は通常エンカウントする骸骨系最強の敵「しにがみ」。なお、下位種である「がいこつ」「レッドがいこつ」も、ラスボス以上に攻撃力が高い。まともに相手をするとほぼ確実に倒されるので逃げるが勝ち。 パスワードを聞ける施設がなぜか2番目の村にしかない。どうしても時間がかかる。 一部の街はムダにだだっ広いのに加えて通路が狭く、街の人に通路を塞がれやすい。 また、建物も入場の可否やどんな建物かが見た目ではほぼ分からない。 しかも建物内のNPCはほとんど役に立つ情報を持ってないのばっかり。 街の人は通路を塞いでなかなか退かないが、室内の人は異様に軽快なフットワーク。流れるような動きでヘラクレスから逃げて行くので会話するのも一苦労。 店は大抵は他の建物と違い派手なピンク色で、大きさも変えられている場合が大半だが、看板がないので入るまでは何の店だか分からない。 重要アイテムですら簡単に店に売れる(上記のように再開時に復活するので詰むことはないが)。 イベントアイテムが多いにも拘らず、アイテム所持可能数が少なすぎる。 イベントアイテム枠と通常アイテム枠を分けるような工夫も無い。 ヘラクレスは前後左右4方向分の歩きパターンがあるのに、街の住人は正面のみのカニ歩き。『ドラクエII』発表後の作品なのにどうしてこうなった…。 総評 本作には確かにゲームシステム上の欠点が多く、同時代の『ドラクエ』と比較するとクソゲーとみなす声もある。 その一方で、他作品にはない独特な作風や長所が光り、そういった意味で意欲的な作品であったことは疑いない。 後に名作とうたわれる『III』や『IV』をシリーズとして送り出すなど、色々な意味で不動の地位を確立した、まさにデコを代表するシリーズだったといえる。 余談 奇抜な『I』や、名作として知られる『III』や『IV』と比べ、『II』は『ドラクエ』の模倣に徹してしまっており、ストーリーは高く評価されているが、やはり本作同様劣化『ドラクエ』である(しかもエンカウント率が高め)。 『II』では八百屋の類は消滅。本作のキーアイテムとなったにんじんだけは麻痺回復アイテムとして残留。なぜにんじんにこだわる? さらに『I』と『II』をつなぐ外伝的作品『動き出した神々』がゲームボーイで発売。この作品で、本作で敵対したハデスは偽物であることが判明する。 ちなみに、『動き出した神々』は2011年8月24日からニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信されている。 『III』と『IV』もバーチャルコンソールに配信されていたが、『I』と『II』は何故かバーチャルコンソールに配信されていない。 パスワードで「はんしんがゆうしようすることはありえないよ」と入力すると、レベル2でゼウスの剣を装備した状態から再開できる。現実のプロ野球の阪神タイガースは、本ソフトが発売された1987年、開幕直後から極度の成績不振にあえぎ、最終的にはダントツの最下位に終わっており、その事実を反映させたお遊びネタと言える(*12)。なお、2003年4月にデータイーストは倒産してしまうのだが、この年、阪神タイガースは18年ぶりにリーグ優勝を果たしており、何とも奇妙な因縁と言える。 実際はバグアイテムを所持・装備していることから『ドラクエII』の有名パスワード「ゆうてい~」のような偶然の産物である可能性が高い。